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『稲盛和夫一日一言』4/29(土)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 4/29(土)は、「お客様第一主義を貫く」です。

ポイント:自ら喜んで、気持ちよくお客様の召使いを務める。お客様に対して徹底的に奉仕することも、経営の大原則の一つ。

 2022年発刊の『経営のこころ 会社を伸ばすリーダーシップ』(稲盛和夫述 稲盛ライブラリー編 PHP研究所)の中で、お客様第一主義を貫くことの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 中小企業経営者の多くが、下請けで儲からないような仕事をもらい、「ウチは技術もない、何もない、結局は大手企業の下請けをやっているだけだ」と自分を卑下して、これではダメだなとお考えになる。しかし、そうではありません。事業家として成功していかれた人の多くは、そうした下請けから始めておられるのです。

 京セラフィロソフィの中に、「値段はお客様が決めるもの」という考え方があります。つまり、我々は値段を決めることができない。それならば、お客様が決められた値段よりもはるかに安い値段でつくるしか利益を残す方法はありません。私は、そのための努力をすることが技術屋の仕事だと位置づけて頑張ることにしました。

 お客様からの厳しい要求に対して、「よくぞここまでウチの会社を鍛えてくださいました」と手を合わせて感謝する。厳しい要求を出してくれるお客様こそが自社を伸ばしてくれる恩人なのだと思えるようになると、要求に応えようと努力することのつらさもポジティブに受け止めることができるようになります。それがさらに血肉となって、会社を発展させていくことができるわけです。

 同じ厳しい条件、極端にいうと、この世の地獄かと思えるような厳しい条件下にあって、ある人はそれを地獄と受け取り、ある人は自分を極楽へと導いてくれる道だと受け取る。その受け止め方によって、経営も人生も、百八十度変わってくるのです。(要約)

 一般に、価格というものは、競争原理における市場メカニズムによって決まります。つまり、お客様が値段を決めるということになるわけです。それなら、モノを供給する側は、製造コストを極小にもっていき、その製造コストと価格との差を利益として得るしかないわけです。

 そこで問われるのが、お客様に対する姿勢です。
 今日の一言には「お客様に対する姿勢としては、お客様の召使いとも呼べる位置づけを甘んじて受けいれるよう求めてきた」とあります。
 「甘んじて受ける」というと「嫌でも無理して受け入れなさい」と言われているように聞こえるかもしれませんが、その意味するところは、「自ら喜んで、気持ちよくお客様の召使いを務めましょう」ということです。

 そこには、お客様には徹底的に奉仕すべし、との考えがあります。お客様からの無理難題にも自身がへりくだって、まるで「召使い」のように働く。
 心底、お客様に喜んでいただける、製品の理想の姿を追求する。今でも、京セラにおけるものづくりの真髄ともいえる精神のひとつです。


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