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『稲盛和夫一日一言』5/18(木)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 5/18(木)は、「答えは現場にある」です。

ポイント:答えは常に現場にある。しかしその答えを得るには、仕事に対する誰にも負けない強い情熱や、深い思い入れを持っていることが必要。

 2001年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編/非売品)の中で、現場主義に徹することの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 ものづくりの原点は製造現場にあります。営業の原点はお客様との接点にあります。
 何か問題が発生したとき、まず何よりもその現場に立ち戻ることが必要です。現場を離れて机上でいくら理論や理屈をこねまわしてみても、決して問題解決にはなりません。
 よく「現場は宝の山である」と言われますが、現場には問題を解くための鍵となる生の情報が隠されています。絶えず現場に足を運ぶことによって、問題解決の糸口はもとより、生産性や品質の向上、新規受注などにつながる思わぬヒントを見つけ出すことができるのです。
 これは、製造や営業に限らず、すべての部門にあたはまることです。

 似たような意味で、私は「経験則を重視する」とも言っています。勉強して身につけた知識と、現場で実際にやってみて得た経験の両方を合わせもって初めて、「できる」と言えるわけです。だからこそ、私は現場を知ることが大事だと説いているのです。(要約)

 2012年発刊の『京セラものづくりの心得を語る』(伊藤謙介著 京セラ経営研究部編/非売品)の中で、京セラ創業メンバーの一人である伊藤元会長は、京セラにおける現場第一主義について、次のように述べられています。

 京セラは「現場第一主義」、つまり現場を第一に考えるということを大切にしてきました。
 「現場は宝の山」です。ものづくりにおける現場は、製造現場そのものですが、営業の現場はお客様との接点にあります。製造や営業以外の仕事にも、それぞれ現場と言えるものがあるはずです。

 現場に隠れている問題解決のカギとなる情報が見えるかどうか。何とかしなければという思いが強ければ強いほど、隠れているものが見えてくるはずです。また、一人一人が持っている問題意識の強さによって、「宝の山」の見え方は各々違ってくるだろうと思います。

 いくら考えても問題解決の糸口が見つからないようなときには、時間をやりくりして、問題が起こっている現場に行ってじっと眺めてみることです。そこで、「もっとこうしてみたらどうだろう」などと、あれこれ考えているうちに、今までは見えていなかったヒントも見えてくるはずです。(要約)

 京セラ入社以来、私もこの「現場第一主義」という考え方を徹底的に仕込まれました。一般に、キャリアを重ね経験知が増えるに従って、無意識に「現場」を軽視する傾向が強まっていきます。
 事実、デスクワークやマネジメントの比率が増えてくると、自然と現場に出向く機会が減り、現場から上がってくるデータや部下からの報告を聞くだけで、自分は現場の状況を把握できていると勘違いするようになります。

 私が尊敬する先輩は、事業部長になってからも、問題が起こったときはもちろん、毎日欠かさず朝一番と帰宅前に現場周りを続けていました。それは、製造現場で日々起こっている小さな変化も見逃さないという真摯な姿勢の表れだったように思われます。

 仕事に対して深い思い入れを持ち続けること。それが、誰にも負けない努力を継続し成果を出していくための原動力なのではないでしょうか。


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