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『稲盛和夫一日一言』 10月16日

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 10月16日(月)は、「組織はリーダーを映す鏡」です。

ポイント:リーダーの行為、態度、姿勢は、それが善であれ悪であれ、本人一人にとどまらず、集団全体に野火のように拡散する。集団、それはリーダーを映す鏡。

 2001年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編/非売品)の「心に描いたとおりになる」の項で、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 心が呼ばないものが自分に近づいてくることはないのであり、現在の自分の周囲に起こっているすべての現象は、自分の心の反映でしかありません。
 私たちは、常に夢を持ち、明るく、きれいな心を描かなければなりません。そうすることで、実際の人生も素晴らしいものになるのです。(要約)

 また、2012年発刊の『京セラものづくりの心得を語る』(伊藤謙介著 京セラ経営研究部編/非売品)の中で、「それぞれの組織の文化が業績に反映される」として、伊藤謙介京セラ元会長は次のように述べられています。

 社内の組織にも、業績のいいところと悪いところがあります。関連する業界の動向によってそれぞれ好不調の波はあるのですが、立派な組織は、そのような波の中にあっても、右肩上がりの業績を続けています。

 人にもそれぞれ人格があるように、会社にも社格があります。組織によって業績の差があるとすれば、その組織の格が違うということです。もっと細かく見ていけば、課、係といった組織ごとの性格を表す課格、係格といったものもあるかもしれません。その格が業績に反映されます。そして、その格というものは、その組織のリーダーをはじめとした組織の構成員全員の意識が集約されたものなのです。

 実際に、実績のよくない職場には、「覇気」といったものが感じられません。見ていればだいたい分かります。もし、この職場は雰囲気がいいとか、何かムードがよくないなどと感じたら、それらはまさに業績と連動しているはずです。

 一人一人の社員の意識が集約されたものがそれぞれの組織の格をつくり、さらにそれらが集約されて社格、企業風土をつくっていきます。ですから、リーダーはもちろんのこと、社員一人一人が素晴らしい人格の獲得を目指して、日々精進していくことが大切なのです。(要約)

 京セラ在籍40年の間、私もさまざまな組織に属してきましたが、確かに職場ごとに雰囲気が違うことを実感してきました。
 業績がよく受注状況も堅調な職場では、リーダーを筆頭に、すべての従業員が忙しく動き回っているにもかからわず、常に元気で活気のある声が響いています。

 一方、業績の思わしくない職場では、リーダーが部下を叱責する怒声は聞こえてきますが、他の従業員は動きも少なく、元気のない顔で手持無沙汰そうに働いています。
 しかし、業績が思わしくない職場であっても、新任のリーダーが先頭に立ち、率先垂範みんなを鼓舞し、全員で前を向いて進もうと奮闘を続けた職場は、目に見えて業績改善を果たしていきました。

 伊藤元会長は、そのことを「生き様で仕事の成果が決まる」として次のように述べられています。

 製造に携わる者は、一つひとつの作業に魂を込めなければ、決して手の切れるような製品をつくることはできません。
 同様に、リーダーは組織に魂を吹き込まなければ、決して自部門を「燃える集団」にすることはできません。そして、リーダー自らが採算表の数字に魂を込めなければ、決して業績を向上させ続けることはできません。

 ものづくりにせよ、組織の管理にせよ、業績の向上にせよ、私たちの生き様そのものが問われているわけです。
 生き様のレベルによって、仕事の成果は決まります。フィロソフィを通じ、心を磨いていくことが、品質の向上や組織の発展に直結していくのです。
(要約)

 「組織はリーダーを映す鏡」
 「生き様で仕事の成果が決まる」
 経営者に限らず、あらゆる組織のリーダーが心に留めておかなければならない言葉なのではないでしょうか。


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