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『稲盛和夫一日一言』 11月19日

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 11月19日(日)は、「逆境はチャンス」です。

ポイント:逆境とは、自分自身を見つめ直し、成長させてくれる、またとないチャンス。志をより堅固にしてくれる格好の機会ととらえて、敢然と立ち向かうべき。試練を通してこそ、志は成就する。

 2001年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編/非売品)の中で、常に明るい気持ちを持って生きていくことの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 感謝の気持ちを持つためにも、「常に明るく」日々を過ごすことが大切です。不思議なことですが、人生がうまくいっている人は必ず、明るい心を持っています。心根が暗く、不平不満ばかりこぼしているようでは、決して素晴らしい人生を歩くことはできません。

 もちろん、誰にも負けない努力をするという「根性」は必要です。そのうえで、自分の未来、自分の人生はきっと素晴らしい幸運に恵まれているはずだと信じることが必要なのです。

 けれども、自分の未来は幸運に満ちている、自分には素晴らしい人生が待っていると思いなさいと言われても、この先何が起こるかもわからないのに、そんなおめでたいことが思えるか、と考える人もいるかもしれません。
 しかし、そうではないのです。誰にでも明るい人生がひらかれている、そのことを信じて、誰にも負けないような努力を重ねていけば、素晴らしい未来が待っているはずです。

 要は信じるか信じないかの問題なのです。自分の人生は素晴らしく明るいと信じて、困難、苦労、苦難にめげず、未来を明るく描いていく。厳しい現実のなかで、つい負けそうになる自分を励ましながら、明るく振る舞っていく。そのような前向きな姿勢が、人生をひらいていくのです。

 そのためには、たとえどんなことがあろうとも、物事をいいほうに解釈する努力が必要です。悪いほうに受け取っていたのでは、人生はどんどん暗くなります。仮に相手が自分に対して悪意を持って何かをしかけようとも、「あの人はバカじゃないだろうか」と疑われるくらい、ニコニコしながら受け流すのです。(要約)

 今日の一言には、「逆境をネガティブにとらえて悲嘆に暮れるのではなく、志をより強固にしてくれる格好の機会ととらえて、敢然と立ち向かうべき」とあります。

 人間は逆境に置かれると、自然と目線が下がってうつむき加減になり、笑顔も少なくなって暗~い雰囲気を漂わせるようになります。そして、頭の中では「何で自分がこんなことに巻き込まれてしまったのか。なんと理不尽な・・・」という思いが渦巻くようになり、次第にそれを誰か他の人のせいや環境のせいにして、自分へのダメージが少しでも軽くすむよう、次第に身体をこわばらせて防御のポーズをとるようになっていきます。

 名誉会長は、逆境における心構えを次のように説かれています。

 非常に単純なことですが、自分の未来に希望を抱いて、明るく積極的に行動していくことが、仕事や人生をより良くするための第一条件なのです。

 私が京セラフィロソフィ教育推進部に在籍していたとき、社員向けフィロソフィ研修後のアンケートに、「あなたが好きな、また大切にしているフィロソフィは何ですか?」という設問をしたことがあります。

 回答で最も多かったのが「もうダメだというときが仕事の始まり」、その次に多かったのが上記の「常に明るく」という項目でした。「つらかったとき、常に明るくありたいと思うことで前を向くことができたから」という意見を、たくさんの方からいただきました。

 京セラフィロソフィには「不況は成長のチャンス」という項目もあります。企業は不況という逆境を境に体質を強化し、次の飛躍に備えることで発展していくことができる、という内容です。

 人生であれ、経営であれ、「逆境はチャンス」と前向きにとらえることのできるポジティブシンキングが不可欠なのではないでしょうか。


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