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『稲盛和夫一日一言』 7月17日

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 7月17日(水)は、「若い人たちへ ①」です。

ポイント:若い人たちには、「自分の好きな仕事を求めるよりも、与えられた仕事を好きになることから始めよ」と強く言いたい。

 2004年発刊の『君の思いは必ず実現する 二十一世紀の子供たちへ』(稲盛和夫著 財界研究所)の中で、若い人たちに伝えたいことのひとつとして、仕事を好きになるよう努めることが大事として、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 私が長年仕事に打ち込み、多くの事業を育てることができたのは、地道な努力を続けてきたからに他なりません。

 そのために私は、意識して「仕事を好きになる」よう努めてきました。そしてその努力を長く続けていくために「創意工夫」を重ね、「仕事や研究に喜びを見い出す」ことにも努めました。

 私は京セラの社員に対して、今お話しした三つのことに加えて、「会社を好きになる」こと、そして、「一生懸命努力を続け、悩み抜いた後には天の啓示がある」ということを話しています。

 人は、自分が希望した学校や会社に入ることができないと、他の人が行っている学校や会社のほうがよく見えて、自分の行っているところは見栄えがしない、と思い込んでしまいがちです。

 しかし、そうした学校や仕事が好きになれないという状態から、いかに早く脱するかが大事です。それによって、人生は大きく変わってくるのです。(要約)

 今日の一言には、「自分の好きな仕事を求めても、それは『青い鳥』を探しているようなもの。そのような幻想を追うよりも、まずは目の前の仕事を好きになることです」とあります。

 『青い鳥』は、1908年に発表されたモーリス・メーテルリンク作の童話劇です。およそ次のようなあらすじかと思います。

 貧しい木こりの子のチルチルとミチルの兄妹は、いつも近所のお金持ちの家にあこがれて暮らしていました。
 夢の中で老婆の姿をした妖精から「青い鳥を探す」という難題を託された二人でしたが、どんなに遠くに旅をしても手に入れることができません。
 しかし夢から覚めると、自分の家の鳥かごの鳥が以前より青くなっていることに気づきます。『青い鳥』を求めて遠いところばかり捜し回ったけれど、実は幸せの鳥は自分の家の中にいたのでした・・・

 1996年発刊の『成功への情熱 ーPASSION- 』(稲盛和夫著 PHP研究所)「仕事に惚れ込む」の項で、名誉会長は次のように説かれています。

 今すぐに仕事をやめたいと思っている人がいるかもしれません。

 実を言いますと、私もそう思うときがあります。疲れ切ってしまうのです。そういうとき、私は学生時代を思い出します。試験勉強のために、長くて辛い夜を幾晩も過ごし、逃げ出したくなってしまったころのことです。今でもまだ、同じ心境に陥るときがあります。

 しかし、もし仕事をやめても、人生がバラ色になるとは思えません。やめたとしても、私は三日もたたないうちに仕事に戻りたくてたまらなくなるでしょう。

 どんなに苦労が多くても、私は自分の人生が意義あるものだと思っています。ときおり、自分の責任の重さに心底疲れ果ててしまうこともありますが、それでも私は自分の仕事が大好きなのです。

 想像を絶するほど困難な仕事に取り組んでいる人たちを見かけることがありますが、もしその人たちが仕事を心から楽しんでいるのであれば、それはそれで辛い経験とはならないでしょう。

 仕事を愛し、その仕事に喜びを見い出している人たちだけが、ビジネスに成功することができます。本当の成功を収め、偉大な成果を生み出していくためには、まずは自分の仕事に惚れ込むことです。(要約)

 求人や婚活でも、マッチングサイトを利用する人が確実に増えてきているようです。就活においては、インターンシップによる企業・職場体験を経て進路を決めようとする人も増えています。

 しかし途中経過はどうであれ、必ずどこかのタイミングで、腹を括って自分の目の前の仕事と向き合わなければならない時期がくるはずです。
 そこが、本当に自分の仕事を好きになれるかどうかの分岐点なのではないでしょうか。

 「自分の人生は自分の足で歩く」
 「苦しんでも 歩きたい道は 幸せになりたい道」

 死ぬまで自分の足で歩くために気をつけなければならないことは、肉体的には山ほどあるのですが、精神面から見れば、いつまでも自分の好きなことを続けようとする気力を失わないこと、それに尽きるのではないでしょうか。


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