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『稲盛和夫一日一言』1/30(月)
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 1/30(月)は、「足るを知る」です。
ポイント:膨れ上がる欲望を満たそうとしている限り、幸福感は得られない。反省ある日々を送ることで、際限のない欲望を抑制し、今あることに感謝するような生き方の中でこそ、幸せを感じられるに違いない。
2011年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅡ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究部編/非売品)の中で、「足るを知る」ことを学ぶ大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。
人間の利己的な欲望は、放っておけば際限なく肥大化していきます。すでに手に入れた豊かさに満足せず、さらなる豊かさを求めようとします。
しかし、いくら欲望を満たそうとしても、決して満足できるものではありません。際限のない欲望にとらわれている人は、どんなに物質的に豊かになっても、心の豊かさを感じることができないからです。
人間にとっての豊かさとは、「足るを知る」心があって初めて感じられるものなのです。
人生を真に豊かで幸せなものにしていくためには、利己的な欲望というものを抑え、足るを知り、ほどほどにするということを学ばなければなりません。人間だけが利己的な欲望が非常に強いため、「足るを知る」ということを知識、知恵として学ばなければ理解できないのです。
自然界では、すべての生物がもともと「足るを知る」ということを本能として持っています。
例えば、アフリカの草原に住んでいるライオンなどの肉食動物は、自分たちが生きていくために、周辺にいる草食動物を殺して食べます。しかし、お腹がいっぱいのときは、近くにどんなにか弱い草食動物がいても襲おうとはしません。一度獲物を捕らえて食べると一週間くらいはダラダラしていて、お腹が空いてきたらまた捕らえて食べる。つまり、「足るを知る」ということを本能として知っているわけです。
もし、今後とも「足るを知る」ことを知らず、新しい文明に転換できずに利己的な欲望だけで作りあげてきた現代の文明を肥大化させていけば、おそらく人類は破滅の道へと向かうのではないでしょうか。
私は、人類が「足るを知る」ことで利己的な欲望を抑え、「みんなによかれかし」という利他的な欲望を追求する新しい文明を築いていかなければならないと思っています。(要約)
名誉会長は、「飽くなき欲望の追求は悪をなす。この悪をなす心を抑えていくために必要なのが足るを知るということ」とも述べられています。
「足るを知る」という考え方は、現代文明や企業経営といったスケールでの議論に留まらず、私たち一人一人が幸せな人生を歩んでいくためにも必要なことではないでしょうか。
「これも欲しい、あれも欲しい」と、次々に湧き上がってくる欲望を満たすことに没頭すれば、穏やかな日常を過ごすことなどできないでしょう。
どこかで一旦立ち止まり、自身を突き動かしているドライブの根源にあるものが「利己」なのか「利他」なのかを自問自答してみる。
今日の一言にあるように、「反省ある日々を送ることで、際限のない欲望を抑制し、今あることに感謝し、誠実に努力を重ねていく」、心の幸せというのは、そのような生き方の中にこそ存在しているのではないでしょうか。
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