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『稲盛和夫一日一言』 7/26(水)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 7/26(水)は、「素直な心がもたらすもの」です。

ポイント:感謝の心が幸福の呼び水なら、素直な心は進歩の親。素直な心が能力を伸ばし、心の向上を促す。

 2004年発刊の『生き方』(稲盛和夫著 サンマーク出版)の中で、素直な心を持つことの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 感謝の心が幸福の呼び水なら、素直な心は進歩の親であるかもしれません。自分の耳に痛いこともまっすぐな気持ちで聞き、改めるべきは明日といわず、今日から改める。そんな素直な心が私たちの能力を伸ばし、心の向上を促します。

 この「素直な心」の大切さを説かれたのが、松下幸之助さんでした。松下さんは、自分には学問がないからと、いつも他人から教えてもらうことで自分を成長させていこうとする姿勢を生涯変えることがありませんでした。
 「経営の神様」といわれてなかば神格化された以後も、この「生涯一生徒の気持ち」を忘れずに貫かれたところに、松下さんの真の偉大さがあると、私は思っています。

 もちろん、その場合の素直とは、右を向けといわれたらただ右を向く、そうした従順さのことではありません。素直な心とは、自らの至らなさを認め、そこから惜しまず努力する謙虚な姿勢のことです。
 人の意見をよく聞く大きな耳、自分自身を見つめる真摯な目。それらを身のうちに備えて、絶えず働かせることが大切です。

 日々の反省も、心を磨くために忘れてはならない実践であり、素直な心の所産なのでしょう。いくら謙虚であろうと努めても、つい知ったかぶりをしたり、偉そうに振る舞ってしまうことがあります。
 驕り、高ぶり、慢心、いたらなさ、過ち、そういうおのれの間違った言動に気づいたときは、自ら反省の機会を持ち、自分を律する規範のタガを締め直す。そのような日々の反省を厭(いと)わない人こそ、心を高めていくことができるのです。

 どんなにささやかなことであっても、「うれしい」と単純に喜ぶことのできる素直な心を持ち、同時に「ありがとう」という感謝の気持ちを持って、理屈抜きで接していくことが大切なのです。(要約)

 2004年発刊の『素直な心になるために』(松下幸之助著 PHP研究所)の中で、松下幸之助さんは、素直な心の大切さについて、次のように述べられています。
 私は素直な心というものこそ、お互い人間として最も好ましい生き方をもたらすものではないかと思うからです。
 素直な心を根底にもってお互いが生きていくところから、人それぞれに願い求めている真のよりよき共同生活も逐次実現し、お互い一人ひとりの幸せもしだいに高められていくのではないかということです。

 
そして、「 素直な心 」の 10箇条として次の項目をあげて解説されています。 
  1.私心にとらわれない
  2.耳を傾ける
  3.寛容
  4.実相が見える
  5.道理を知る
  6.すべてに学ぶ心
  7.融通無碍
  8.平常心
  9.価値を知る
 10.広い愛の心

 最後に、京セラフィロソフィの「素直な心を持つ」という項目を紹介します。

 素直な心とは、自分自身のいたらなさを認め、そこから努力するという謙虚な姿勢のことです。
 とかく能力のある人や気性の激しい人、我の強い人は、往々にして人の意見を聞かず、たとえ聞いても反発するものです。しかし本当に伸びる人は、素直な心をもって人の意見をよく聞き、常に反省し、自分自身を見つめることのできる人です。そうした素直な心でいると、その人の周囲にはやはり同じような心根をもった人が集まってきて、物事がうまく運んでいくものです。
 自分にとって耳の痛い言葉こそ、本当は自分を伸ばしてくれるものであると受けとめる謙虚な姿勢が必要です。

 「謙虚にして驕らず、さらに努力を」
 この言葉のベースにも、素直な心を持ち続けたいという名誉会長の想いが込められているように感じます。


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