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必見!DXプロジェクトで押さえるべき三箇条!

始めに皆さんこんにちは!
リグリットパートナーズのコンサルタントの馬場です。リグリットパートナーズでは、お客様のDX推進のお手伝いをしています。
今回は、私の経験も踏まえて、DXプロジェクトで押さえるべきことを取り上げたいと思います。


1. 従来の基幹系開発のプロジェクトとDXのプロジェクトの3つの違い

まず、DXのプロジェクトとはどのようなものかを説明します。
DXプロジェクトは従来の基幹系開発のプロジェクトと比較して、大きく三点の違いがあります。

1.1.設定するゴールの違い

従来の基幹系開発プロジェクトとDXプロジェクトの一つ目の違いは、設定するゴールです。
基幹系開発プロジェクトでは事務作業のように人が行っていた業務を自動化し、人がおこなう業務量を削減することが目的ですが、DXプロジェクトはそこから得られたデータを基に顧客体験の提供や新たなビジネスモデルの構築を行うことを最終的なゴールに据える場合が多くなります。
DXプロジェクトの場合はシステムが活用された後、顧客の反応を見るまでは何が正解なのかはわからないというケースが少なくないのです。
それゆえ、明確に要件定義されていない状態からプロジェクトがスタートする場合が出てきます。このような場合、プロジェクトのリーダーであるプロジェクトマネージャーには「ユーザーの要求を整理し、共に要件を決めていく」姿勢が求められます。

したがって、ユーザーのビジネスに対する深い理解AIなどの技術の両面に関する知識を持っていることが求められます。

1.2.関わる部門が多岐に渡るという違い

二つ目の点としては、関わる部門が多岐に渡るという違いです。DXプロジェクトは新しいサービスやビジネスを生み出すことが目的なので、関係部署が1つにとどまらずユーザー企業内において複数部署の連携が必要になることが少なくありません。

複数部署間の連携を取ることに手間取らないために、部署を横断したプロジェクトチームを作ることや役員や社長に意思決定に加わってもらうなど、プロジェクトを円滑に進める工夫が必要になります。

1.3.スケジュールの流動性の違い

三つ目の相違点としては、ソリューションの特性上、スケジュールが流動的になりかねないということが挙げられます。
多くのDXプロジェクトでAIがソリューションの選択肢として挙がりますが、AIがシステムとして成果を出すためにかかる時間は読めないケースが多くあります。
例えば、教師データありの機械学習システムの開発では、一般に以下のような流れになります。

①必要なパラメーターの仮説定義
②データの収集・加工
③モデル構築
④評価

この流れがスムーズにいくことは少なく、必要な教師データがなかなか提供してもらえずに想定外の時間がかかることや、正答率が高まらずパラメーターの定義からやり直すということもあります。このようにAIを用いたシステムの開発では、期待した成果が出るまでに開発サイクルを何度も繰り返すこともあります。

そのため、事前に組んだスケジュール通りにプロジェクトが進まない可能性が高くなります。

2.DXプロジェクトで押さえるべき三箇条

基幹系プロジェクトとDXプロジェクトの違い企業の成功事例からDX時代にプロジェクトマネジメントにおいて重要なことが分かりました。
それを踏まえて、「DXプロジェクトで押さえるべき3箇条」を説明していきます。

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1.各ステークホルダーとの綿密な連携
ユーザー企業内での部署間の連携や経営層の巻き込みは、意思決定のスピードを上げたり、システムを社内に浸透させるなど、社内での連携は円滑なプロジェクトの進行に欠かせません。
更にそれだけではなく、ユーザー企業とベンダー企業の間での連携も非常に重要になります。ユーザー企業も共にシステムを作り上げる姿勢を持つことがプロジェクト成功の鍵を握ります。

2.スケジュールの流動性を踏まえたプロジェクトの管理
先にも述べたようにソリューションにAIを使用すると、システムの精度向上までに時間がかかったり、結果が出るまでの時間が読めなかったりすることがあります。
このような中でもプロジェクトを進めていくためにも、プロジェクトリーダーを中心にこまめな進捗確認を行うなどの工夫をする必要があります。

3.AIリテラシーとITリテラシー
前述した二点に付随することですが、各ステークホルダーとの連携やスケジュールの流動性を踏まえたプロジェクトの管理において、AIをはじめとした先端技術の理解及び、システム理解に必要なITリテラシーは欠かせません。特に、プロジェクトマネージャーは、これらを有していることが極めて重要です。

このように、DX時代のプロジェクトマネジメントでは関係者が一丸となり、試行錯誤を繰り返してプロジェクトを進行していくことが求められます。

3.DXの成功事例

DXプロジェクトでは、開発、テスト、導入の各フェーズで様々なステークホルダーとの合意形成連携が成功の鍵を握っています。
プロジェクトのリーダーであるプロジェクトマネージャーが率先してこれらのことを行うことは非常に重要です。
DXプロジェクトに成功した企業の事例を2つ紹介します。

①三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下MUFGグループ)
MUFGグループは、従来の普通預金のオンラインシステムという巨大なレガシーシステムを抱えていましたが、それをモダナイゼーションした上で更にDXを推進しています。同グループがモダナイゼーション・DXに成功した大きなポイントは、経営層のコミットメントを得た点にあります。
同社は小さい成功を積み重ねて”攻めのIT投資”を増やす、経営層にDXの重要性を説明するという方法で、経営層のプロジェクトへのコミットメントを得ることを実現しています。
この事例においては、DXにおけるプロジェクトマネジメントに必要な三箇条を全て満たしており、このことが、DXに成功した要因だと考えられます

出典:MUFGビッグデータ基盤 グループ全体の発展を担うデジタライゼーションの要

②コニカミノルタ
コニカミノルタでは、欧州の需要予測業務にAIを活用することを決定しました。決定後、導入に向けてPoCを実施するに先立って同社が力をいれたのが経営幹部、グローバルの販売部門の合意形成です。
システムの導入には多くのステーホルダーが関わる上に、AI導入には多くの費用がかかるため、その導入メリットや費用対効果に関して各ステークホルダーにしっかりと説明する必要があります。
また、業務への適用の側面では現場スタッフとの連携も非常に重要であったということです。
この事例においては、DXにおけるプロジェクトマネジメントに必要な三箇条のうち二箇条(各ステークホルダーとの綿密な連携、AIリテラシーとITリテラシーを有していること)を満たしており、このことが、DXに成功した要因だと考えられます。

出典:コニカミノルタはいかにして「AI導入の壁」を克服したのか?

以上、今回は、「必見!DXプロジェクトで押さえるべき三箇条!」と題して、DX推進にあたり重要なことを取り上げました。
今後、今回のようなDXに関連する記事を定期的に掲載していきますので、ご期待ください。

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