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幸せとはなにか 学級通信『Sagittarius』vol.56 2021.9.9発行

 今日は哲学的なお話です。“幸せとは何か”,これをマズローの欲求5段階説に沿ってお話していきたいと思います。
 まずはマズローの欲求5段階説です。2年生の時,O先生の授業で習った上に,以前の学級通信に乗せましたが復習しておきましょう。
 マズローの欲求5段階説ですが,「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」ということを前提とし,人間の欲求を5段階に理論化したものです。人間には5段階の「欲求」があり、1つ下の欲求が満たされると次の欲求を満たそうとする基本的な心理的行動を表しています。
・第1段階:生理的欲求・・・食欲,排せつ欲,睡眠欲などの生きていくために基本的・本能的な欲求
・第2段階:安全欲求・・・安全・安心な暮らしへの欲求で,幼児はこの欲求が顕著にみられます。
・第3段階:社会的欲求・・・集団への帰属や愛情を求める欲求で“愛と所属の欲求”と呼ばれます。
・第4段階:承認欲求・・・他者から尊敬されたい,認められたいという欲求です。
・第5段階:自己実現欲求・・・自分の世界観,人生観に基づいて“あるべき自分”になりたいと願う欲求です。
 これをもとに年代別幸せのありかたを紹介しますね。
・70代以上 ~食べ物~
 70代の方々は戦後の貧しい時代に思春期や,社会人としてのトレーニングを受けています。またこの世代の親世代は,「子どもお腹いっぱいご飯を食べさせてあげたい」って思っていた時代なんです。だからこの世代の方は食事に大きな価値を感じている人が多く,そこに幸せを感じる傾向にあります。これはマズローの生理的欲求に近い部分なんじゃないでしょうか。
・40代~60代 ~お金~
 この世代の方々は高度成長時代に自分が幼少期を過ごし,自分の親がお金を稼ぐことによって子どもを幸せにしようとした時代です。また,日本の歴史の中でお金の価値が最も高かった時代で,資本主義が浸透した時代です。マズローの社会的欲求にあたるんじゃないかと思います。
・20代~30代 ~存在~
 この世代の方々は,自分が何のために産まれたのかを感じたいのです。この世代の人は,お金や食べ物のような,“物質的”なものに価値をあまり感じにくくなっています。それは,この世代の人は生まれたときから食べ物やお金に困ったことがあまりないからです。だから,モノがあふれていて,自分の価値っていう部分に価値感を感じています。これはマズローの承認欲求ですね。
・10代のキミたち ~承認欲求の次は?~
 今の10代の方々はSNSの発展によって承認欲求を満たしやすい社会で生きています。いつも言っていますが,揚げ足取りのTwitter文化も,おそらくもうすぐ終わります。そんな10代は社会人になった時にどんなものに価値観を感じるのか。
 年代が経つごとに,価値観がマズローの欲求5段階説の高次のものへと変化してきました。てことは,キミたち10代が社会に出たときに,中心となる価値観はおそらく,“自己実現”になるでしょう。
 自分が自分らしく生きていくこと,それが価値観の中心,幸せの真ん中になるんだと思います。他者からの評価ではなく,自分自身の納得感や自己実現感。つまり外から見た自分ではなく,自分の中から見た自分みたいなものが幸せの中心になるでしょう。
 さて,まとめです。今日紹介したものはあくまで“だいたい”です。キミたちが社会に出て,いろんな世代の人と関わるときの参考にしてみてくださいね。

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