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教育におけるVR活用で変わる未来

私は、株式会社MATRIXと言う会社で営業を担当している、島と申します。弊社で2年前から開発を始め、【どこでもドア】と言うメタバース空間プラットフォームを運営しています。これまで様々な業界にお話を聞きながら、その活用法をご提案してきましたが、中でも教育分野においては非常に可能性が大きいと思っていて(でも閉鎖的な面もある)、この機会に一つの意見としてメタバース、特にVRが変える未来の教育についてコメントしたいと思います。

1.恒例の、メタバースとVRの立ち位置

私どもは強烈なインフルエンサーを抱えた会社でもなければ、誰もが知ってる会社でもない、スタートアップ(ベンチャー企業)です。2年前、コロナ禍に社会環境が大きく変わるのを受けて、未来に向けて新しく一から立ち上げたキーワードがDX(いわゆるデジタル化ではなくて本来の意味でのDX)でした。そこで取り入れる技術がVR。その可能性は当時、まだまだ未知数な部分もありましたが、世界のあらゆるテクノロジーの進化をキャッチアップしつつ、(特に日本においての)世間の動向も見ながら徐々にサービスが洗練されていきました。メタバースという言葉も、この1年ぐらいでようやく整理され始めました。現実世界とは別の仮想世界で様々な活動を可能にするメタバース。そこにおいて、VRというのは最も大きな役割を果たす技術だと今でも思っています。
立ち上げ当初、非常にインスパイアされた一つが、とある海外のニュース映像でした。近い将来、VRが生活に取り入れられて、これまで不可能だと思っていたことが次々と可能になる未来が見えた瞬間でした。
今もまだ少し、メタバースが単なるバズワードと誤解されて、なにやら胡散臭いように思われてしまうこともありますが、この半年ぐらいで大きく変わり始め、正しく「メタバースとVR」の関係や違いについて知ろうとする方が増えてきたのを感じています。私はメタバースは仮想空間がもたらす広い世界観、VRはそれを実現させる技術と捉えています。つまり、VRが無いと残念ながらメタバースの世界観の一部だけしか捉えられないと思っていて、日々、必死にVRの魅力をまずは知ってもらう・体験してもらうことをメインに活動しています。

2.教育分野で活用される意義

長い前置きはこれぐらいにして、さて、教育です。前述の通り、私どもはソリューションを販売するとか、開発受託を請け負っているとか、ではなくて、(嘘のようなホントの話ですが)まだ見えぬ新しい未来、メタバースによって作られる未来の世界を築くことに本気で取り組んでいます。弊社株式会社MATRIXの【どこでもドア®】は、そんな未来の世界を垣間見ることができるプラットフォーム(の進化過程)です。
プラットフォーム(いわゆる平面動画で言うところのYOUTUBE)自体を自社開発したので、ホントに様々な活用法があるのですが、これは弊社が全てを独占的に仕掛けるものでも何でもありません。いろいろな業界・業種の方々に知ってもらい、体験してもらい、そこから一つずつ、活用法が生まれてくるものだと思っています。さしずめ、私はその案内人です。
教育分野においても様々な活用法が私だけでもたくさん思い浮かぶのですが、ここで少し、今までに実際にあったご相談や取り組み事例を紹介します。

  • VR修学旅行

これは最初から思っていましたし、ご相談もいくつもありました。コロナ禍で修学旅行にずっと行けていない。生徒たちがかわいそうだ、との先生からのご相談が多かったです。【どこでもドア】では現在既に1000ヶ所以上の世界各地のツアースポットがワールドとして存在しているので、例えば、50名のクラスで10名ずつ好きな場所へ一緒にVR旅行して、現地ガイドと会話しながら外国語や異文化に触れて、ツアー終了後に各チームでそれぞれツアーしている映像をクラスのみんなで見ながら発表をする、というような、まさしく修学旅行だ!という取り組みがすぐにでも可能です。
※残念ながら、先生たちがやりたいと思っても、学校と既存旅行会社との様々な関係上、導入できないケースが多く、ビジネス的に旅行会社とのパートナーシップを結ぶことを強化することにもなりました。

  • VR語学留学

これは実際に長野県立大学で行なった取り組みです。語学学習にはネイティブとの会話が非常に効果的なのは言うまでもありませんが、ここで言う会話とは、語学教室で教科書を読むことではなく、そのシーンに応じて必要な言葉を交わすこと、それが会話です。
【どこでもドア】を使ったVRツアー旅行【どこでもドア Trip】では、現地ガイドと参加者が同じ空間内で一緒に旅行をするので、当然、そこには(質問などの)会話が生まれます。それがAI自動音声翻訳によりアンチョコを見ながら会話できるので、全く、語学力に自信がない生徒も、徐々に字幕表示を消して会話ができるようになるなど、面白いほどに成果を感じることができた取り組みでした。今後は中高生でも積極的に活用してほしいと思っています。

  • VR授業

今、弊社が最も教育現場に取り入れてほしいと考えているのが、授業を丸ごとVRでライブ配信する、VR授業です。リアルタイムのライブ配信です。様々な事情で学校に通うことが難しくなっている生徒が増えているとニュースで報じられています。新しいその問題をテクノロジーで解決できることは積極的に取り組んでいいのではないかと思っています。N/S高でVRゴーグルを取り入れていることは有名ですが、これはもはや特別なことではなく、一般の学校でも問題解消の選択肢としてVR授業は「あり」だと思っています。
授業をしている教室の中に360度カメラを固定しておくだけで。家でも教室にいるかのような体験が可能です。
そう、大人がリモートワークできるようになったように、子どもたちも自宅で授業を受けることが可能になったらステキだと思います。

3.メタバース世界と多様性社会

少し細かな話に続きましたので、大きめの話に戻ってみます。
メタバース世界が叶える大きな役割は、現実世界では「変えなきゃいけない」と社会問題になるほどの様々な障害・障壁・壁が無くなることだと思っています。私ども、メタリアルグループは(みなさん誰も知らなかったでしょうがw)実は壁を無くすことをミッションとしています。
現実にはどうかと言うと、個人の努力でそのような壁は突破すべし、という風潮が変わりません。英語が話せる人は努力をしたから素晴らしいね、プロのスポーツ選手は世界に通用するレベルまで努力をしたから素晴らしいね、それは確かにそうなんですが、今は2022年です。世界でテクノロジーがこれだけ急速に発展・進化を遂げているのに、それを活用して、今までの上記のような常識を乗り越えるような、新しい価値観を提供しても良い時期に来ているのではないでしょうか。それを未来の世代である子どもたちには「新しい当たり前」として提供していくことを大人の役割としてやっていきたいと思っています。
教育の役割はその点においては最も重要で、様々な違いが存在することが標準であるグローバルな社会で活躍していく子どもたちへ、重要なツールとしてメタバース世界を開放したい、というのが私の思いでもあります。
既にメタバースの世界にも様々な捉え方が存在しています。冒頭に記載した通り、私どもは強烈な影響力などない、小さなスタートアップに過ぎませんので、気が付けば、メタバース=3DCGで作られた世界のこと、という傾向があることも理解はしています。まだまだ道半ばの今、目先の小事に拘ること無く、未来の子どもたちにできる限りのことをしてあげたい(もちろん、自分でも少しだけでも体感したいw)と思う今、あらゆる障壁が無くなり、他を受け入れ、違いを認め、多様性社会がスタンダードになる未来を願っています。

4.変える、を支援する

最後に、この記事で何度も繰り返してきた通り、これまで我々誰もが経験したことがないほどの激しいスピードでテクノロジーは進化しています。世界はホントに激しく変わり始めています。私はアラフィフですが、私が子供の頃から「常識」として刷り込まれてきた価値観(日本は世界で最も急成長したスゴい国)はアッと言う間に消えてしまいました。これが世界の変化です。そんな時代ですから、あらゆる面で「変わる」ことは不可避なのです。残念ながら我々世代は変わることは苦手です。ただみんなで一緒に気付けば成長していた世代なので。
でも、そんな常識感を子どもたちの世代には丸ごと植え付けるわけには行きません。変わるべきものは変わることを選択していくことが必要です。教育分野においては、生徒たちに対して指導者側に一定の役割が求められます。それが新しい世界への行き先案内です。そのためには教育界が変わっていく必要があります。このコミュニティには、この記事を読む方には少なからずその問題意識がお有りだと思っています。我々はその「変える」を支援することに全力を尽くすことで、子どもたちの未来に貢献できると自負しています。

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