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好かれると同時に、憎まれる。

「別れたほうがいいと思う」

そういっても、君は聞かなかった。

君が、僕といると、イライラしてしまうから。
僕といるだけ、怒りっぽくなるから。

落ち着いているときに聞くと、

ホコリがおちてるよ、と言われて
「掃除がちゃんとできていないんじゃないの?」
と言われていると思ったり

換気扇ついてないよ、と言われて
「ちゃんと換気扇を回して料理して」
と翻訳されたりするのは、

どうやら恋人である僕だけに対して發動しているようだ。

由々しき事態。

僕の言い方が悪かったのかとも何十回も何千回も考えたし、
言葉などなくて、ホコリをとって換気扇をつければよかったのかと思いもする。

でも、そのなかで、後者の選択をしてしまって、
相手にそれができるようにしてもらえないことには、
自分がどこか不満な気持ちを感じながら生活することになるんだろう。


合わないんだろうな。

何回も思った。週に1回はいまでも思う。

でも、好きな気持ももちろんあって、
愛しいところもそこであって、
拒絶できないところにいる。

うまく言葉を絞り出して、
「別れよう」っていっても、
聞く耳を持ってくれていない君は、
どうしても僕のことが好きなんだろう。だぶん。

好きなのに、どうして。

好きだから、なのだろうか。

こんなことを聞いたことがある。

男性であれば、快感を感じる神経は怒りを感じる神経と、
女性であれば、快感を感じる神経は恐怖を感じる神経と、
同じ箇所を通っているらしい。

好きって気持ちをどういう感情で感じ取っているのかはわからないけど、
もしかしたら、君にとっての好きって感情は、
怒りや妬みを感じる回路と、同じところを通っているのかもしれない。

そしてそれを感じるのは、恋のときだけじゃない気がする。
自分にも、心当たりがある。

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