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寝不足デバフと日光バフ

強迫性障害になってからというもの、極力寝不足にならないよう生活している。寝不足は、確実に頭の回転を悪くさせ、不安を増大し、体調も最悪にしてしまうデバフだと気づいてしまったからだ。逆に言えば、病気になるまではその事実に全く気づいていなかった。


自称夜型 睡眠は5、6時間で十分


夜更かしをして一日が長く感じるあのお得感が好きで、昔からよく遅くまで起きていた。夜にこっそり何かをするのが好きだったから、ゲームしたり漫画を読んだり、気ままに過ごす静かな夜が好きだった。

社会人になってもそれは変わらず、むしろ日中自由にできないことをたくさんやりたくて、自分の時間が少しでも長く取りたくて、とにかく夜更かしをしていた気がする。電車で寝るのが当たり前で、通勤通学で寝過ごしかけた経験は一度や二度ではなかった。

木曜、金曜あたりになると朝からしんどかったが、今思えばそれって疲れが溜まってたんじゃなくて、睡眠負債のせいな気がする。毎週この辺りになると仕事の効率が低下していて「人は五日連続で働けるようにできてない」みたいなことを言っていた気がするが、金曜まで元気に働いて飲みに行くトップセールスマンを見て何も思わなかった自分が恥ずかしい。

土日は昼まで寝て休みを満喫しているつもりになっていたが、ここで何とか帳尻合わせをしていたのかと思うと、つくづく健気な身体である。こうして何とか月曜からまた仕事に行っていたが、日曜の夜が惜しくて、仕事に行きたくなくて夜更かしをしてしまっていたので、せっかくの帳尻合わせを週の初めから無意識に台無しにしていた。


「頭がぼんやりする…」 病気になって初めて気づいた違和感


強迫性障害になってからは、毎日が不安→確認の無限ループだった。強迫観念(不安)が強迫行為(確認)を引き起こし、それが日常生活を侵食していった。


※病気になった経緯はこちらを参照ください。


よくある強迫行為の例は、家の鍵を閉めたか問題(何度も戻って確認してしまう)だが、このようなことが日常のあらゆる場面で起きた。
例えば、特に出かけるわけでもないのに電気を消したか、窓を閉めたか、と些細なことが気になって、確認せずにはいられない。「さっき料理をした時冷蔵庫閉めたかな」みたいなことが、延々と頭に湧き出てくるのである。

こういう時、確認をしないことが治療の第一歩になるので、とにかく不安を無視するようにしていたのだが、どういうわけか寝不足の日ほどそれができないことが多かったし、また不安になることも多かった。

日々のリハビリ日記(当時クリニックで毎日つけるよう出された宿題。カウンセリング日に持ってくるように言われていた。)を振り返ってその事実に気づいた時、試しに睡眠をしっかりとるようにしてみたら、日常的にあった頭のぼんやり感が少し軽減され、だんだん調子のいい日が増えていった。

私はその時生まれて初めて、眠気以外にも睡眠不足の弊害があることに気づいた。何のためにリハビリで生活改善をしているのか、なぜ寝たきりや睡眠障害を乗り越えたらまず早寝早起きや生活リズムを正しましょうと言われるのか、やっと腹に落ちた。


人によって必要な睡眠時間は違うので、1日8時間絶対寝ろとは言わない。が、自分の調子を保てる睡眠時間を把握すること、そして寝不足の日は無理せず早めに就寝すること。睡眠不足気味の方には、この二つは是非ともお勧めしたい。気持ちよく過ごせる時間がきっと増えるはずだ。



日光バフ(おまけ)


寝不足がデバフとするならば、その逆、バフは何だろう。

私がリハビリ(生活改善)の中で一番強く感じたのは日光バフだった。
他にも三食しっかり身体に良いものを食べるとか、早寝早起きとか、運動するとか、色々あったけど、費用対効果が一番高いのは間違いなく日光だった。

日光は浴びるだけでいい。家の中でも窓際に行けばできるから、ほとんど寝たきりの時でも、カーテンさえ開ければ気軽に生活に取り入れることができた。


そして効果もちゃんとある。朝浴びれば自然と目が覚めしっかり夜に眠気が来る。メンタルが落ちている時も、窓際で浴びるだけで何となく気分が晴れる。(真っ黒が灰色になるくらいの小さな力ではあるが)少し気分が前向きになる。

少しのエネルギーを日光からもらって、着替えて少し掃除をしてみる。すると他のこともできそうなエネルギーが湧いてくる。そうして一日を始めるのは、ヨイショと無理やり自分を奮い立たせるよりは、ずいぶんと楽だった

日光からもらったエネルギーで何か一つ簡単なことをしてみると、エネルギーが生まれ、一日が上手に回り出す。それは不思議な感覚だった。



エネルギーに満ち溢れていたから20代までは気付けなかったのか、シミができるからと日光を忌避していた心根のせいなのか。

今になって気づいた自然の小さな贈り物に感謝して、日々朝型生活を目指している。(まだ夜型です。治りません。)

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