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船の契約、商社の役割 造船のおもしろ豆知識集#6

導入編はこちら↓

今回は、専門外ではありますが、聞いた話をベースに書きます。

貨物船というのは、一隻だけで何十、何百億円と非常に高額なうえに、受注から引き渡しまでの建造に少なくとも2、3年以上と時間を要します。
そのため、発注側の船主(オーナー)、受注側の造船所の双方にリスクが存在します。発注側は大金を払ったのに納期までに竣工できてなかったり、そもそも竣工できなかったとしたら、たいへんなことになりますね。一方、受注側の造船所は、受注してコストをかけて材料や機械を調達したり、建造に人件費や時間をかけたのに、発注側がお金支払えません、とか、倒産しました、ってなったら、これまたたいへんなことです。
そこで、商社が仲介役として入って、マージンはとられることになりますが、こういった万一の時に損失を負担する、保険のような役割をはたしてくれます。厳密には、商社が買主になって契約するので、”損失を負担する”というより”買い取る”というのが正しかったかと思います。
そして、顧客との信頼関係によっては商社を挟まない場合もあると聞きます。

次に、支払いについて、見ていきます。
貨物船の決済は一括ではなく、最初に頭金、工事の進捗とともに、いついつに残り何%支払い、次いついつに残り何%、竣工したら残り全部、というように段階を踏んで支払いが行われます。この配分は顧客との信頼関係などによって、案件により様々と聞いたことがあります。これも最初に述べた双方のリスクを軽減するための方法です。

以上、造船所と船主との契約における商社の役割と支払いについてでした。
万一、誤解等あればご指摘ください。

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