見出し画像

何屋さん? ~部署・担当構成 造船のおもしろ豆知識集#3

導入編はこちら↓

造船の設計は受注の前と後で基本設計、詳細設計と分かれていますが、どちらも担当部分/分野ごとにだいたい大きく以下の5つに担当グループがわかれています。これは会社がちがっても概ね同じかと想像します。ちなみに通称機械屋さんとか電気屋さんとか専門のこと~屋さんとか言ったりもします。

・性能・・・船のスピード、馬力をきめる。流体力学を使った船体形状の設計。適用規則全体のとりまとめ。
・構造(船殻とも)・・・船体構造の設計・強度設計。船体は大量の鋼板を溶接して複雑な立体的な構造をして軽量化しながらも強度を保っています。段ボールが紙なのに強度があるのと同じように考えていただければ。
・船装・・・機関室以外の船の装備(例:錨、係船装置)全般や居住区の設計。扱うところが広範囲です。貨物によって大きく内容が変わり、いちばん船らしい内容の設計担当。
・機関(機装とも)・・・機関室の設計。私がいたとこ。別途詳しく書きます。就活生向けにかっこよく言うと、機関部とは船の”心臓部”を設計します。
・電装・・・電気全般の設計。動力系統と信号系統。アンテナも。かっこよく言うと船の”神経”ですね。

個人的な見解ですが、大きく5つに分かれていて、実際にはさらに細かく分けられているため、分業制が強めかと思います。聞くところによると、自動車産業ほどではないと思います。

大きくわけて5つの各グループ、お互いがコミュニケーションを多くとって調整しあうのが重要です。というのが、きれいごとです。実際のところ、健全な”ケンカ”で最適な設計になることもあると思います。例えば、構造の骨が張り出している、機器置くスペースに影響がある、「ここだけ骨をもうちょっとなんとかしてください」といったこと。一方で、良くない言い方ですがセクショナリズムが強い印象ですかね。(ry)

ここらへんで失礼します(笑)


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?