電話の話
今日、尊敬してるおっちゃんから急に電話がかかってきて、「元気か?」と。
話すのはなんだかんだ1年ぶりくらいだったので、ひとしきりお互いの近況報告をしたりして。
俺の中では当然、何かしらの用事があってかけてきたのだと思っているから、「なんだろな。仕事の話かな。それとも飲みに行こうって話かな」とか思いながら雑談してて。
でも、5分経っても10分経っても”本題”が出てこない。
挙げ句、「じゃあ、またな」とかいって切ろうとする。「え? それだけ?」的な反応を俺がしたらおっちゃん、「いや、ふとお前のこと思い出してよ。生きてるかなと思って」だって。
それで本当に電話は終わっちゃった。おっちゃんはマジで、「あいつどうしてるかな?」ってだけの理由で電話をかけてきたのだ。
これで、「ああ、ふと思い出してくれるなんて、嬉しいなあ」で終わればいい話。いや、実際そうも思いましたよ。おっちゃんのこと好きだし。
でも正直なとこ、ぶっちゃけたとこ、電話切った後に俺の中に残ったのは、嬉しさよりもなんていうか、「戸惑い」みたいなもんだった。
用事がないのに電話をかける。あいつなにしてるかなあ、元気かなあってだけで電話をかけるっていうその感覚が、昔は俺の中にも当たり前にあったはずのその感覚が、いつの間にかすっかりなくなっていた。
俺は今、用事もないのに誰かに電話をかけたりしない。
電話どころか、メールやメッセンジャーやLINEすら送らない。多分。
そういう”事実”に今更のように気づいて、愕然としたのだ。
あー、なんか、よくないのかもな、と思った。「俺も寂しい大人になっちゃったな」みたいな、自虐風な自己陶酔って話じゃなく、ああ俺、マジで心が貧しくなってるかもしらん。なんか勝手に人生損しとるかもしらん。っていう、リアルな感じ。
まあでも、なんかタイムリーだわ。ぶっちゃけ俺はここんとこ、いろいろな意味でキャパオーバーなんだろう。40代になったし、もうちょっとだけ、ペース配分みたいなものを、真剣に考えるべきなのかもと思いました。
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