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No.2 ラフに語ろう〜介護部屋    『認知症のBPSD と非薬物療法』


【ラフに語ろう〜介護部屋 とは?】


X(旧Twitter)スペース(ラジオみたいなやつ)にて
鷺谷公平(フリーランス介護職+カウンセラー+軽貨物ドライバー)

ニヤさん(小規模多機能型居宅介護施設 主任)
介護現場に役立つ知識や悩みを共有したりと
ラフに提供している番組(?)です!

フォローやいいねをいただけると大変励みになりますので
よろしくお願いいたします♪

●詳細
・頻度:月2〜3回 (不定期)
・時間:21:00〜22:00

●構成
・座学
・テーマについて事例を交えて語る
・質疑応答
・ニヤさんへ質問タイム

【No.1 テーマ『認知症のBPSD と非薬物療法』】

No.2 ラフに語ろう介護部屋リンク

●座学

『BPSD  とは』
・BPSD(行動・心理症状)
(Behavioral and psychological symptoms of dementia)
・考え方:行動=周辺症状  心理=中核症状
主にBPSD=周辺症状を指すことが多いが
解釈としては中核症状を含んで考えることが重要である。

◻︎例:一人で知らない外国へ


 あなたは一人で外国に行きました。
そこでトイレに行きたくなりました。
周囲の人に場所を聞いても不思議な顔をされ
トイレを探しても見つからない。
困った顔をしながらウロウロしていると
知らない人が声をかけてきて
手を引っ張ってきました。
抵抗するあなた。
振り切ってからも恐怖で何もできずボーっとしていました。

上記を中核症状と周辺症状に当てはめると
・中核症状:見当識障害(どこにいるかわからない)
・周辺症状:介護拒否(手を振り払う)、徘徊(ウロウロ)、ボーッとする(不安、抑うつ、無気力)

・POINT:行動(周辺症状)には必ず心理的要因(中核症状)がある!


『薬物療法とは』
・内服薬にて症状の進行を緩和/周辺症状の緩和 等

『非薬物療法とは』
・内服薬を中心とせず、関わりの中で対応していく


●事例 「アルツハイマー型認知症の非薬物療法的関わり」


『状況』
・対象者:79歳、女性、アルツハイマー型認知症
・利用状況:デイサービス3回/週、訪問介護(服薬確認、食事配達)
・周辺症状:徘徊(ニヤさん的にお散歩)、不安感(いつも落ち着きない)
・中核症状:実行機能障害(生活管理ができない)、記憶障害(物忘れ程度)
・アプローチ期間:4週間かけて変化を記録


●「第1週目:簡単なアクティビティ参加」


・参加アクティビティ:手作業

・内容:排泄介助に使う新聞紙を折る

・評価:気乗りしない時もあったが、
没頭する時も見られた
徘徊の減少が見られた。

・雑学:参入する際は複雑な作業より
簡易的な作業をしていく。
単独で促すよりも
『共に行う』
『何のためにやっている』がセットだと
人は行動しやすい。

●『第2週目:役割の付与』

・参加アクティビティ:確認作業

・内容:食後の清潔チェックん(机、洗面台)

・評価:拒否なし。
意欲や表情に前向きな反応あり。

・雑学:人は役割に順応する。
ジンバルドの模擬監獄実験が有名。
看守役、囚人役で役割を分担する。
すると、
その役割に合った
行動、振る舞い、姿勢をとり始める。


●『第3週 得手不得手のアクティヴィティ』

・参加アクティビティ:運動系に参加、複雑な作業

・内容:集団体操の追加、工程の多い紙でゴミ箱を作る作業

・評価:集団で行う体操は意欲的で促しなく参加。
   作業工程の多いゴミ箱作りは拒否が見られる。

・雑学:認知症が不得手とする作業は主に「IADLな作業」
例えば、服薬や金銭の管理、調理工程、1日のスケジューリングなど
1つの行動のタスクが多いほど作業に難色を示す傾向が強い。

またアルツハイマー型認知症の経過評価としてFASTを用いるが
IADL 障害⇨ADL障害(日常生活の基本動作に障害:排泄や入浴など)
の順に障害されていく傾向である。

FAST評価


●『第4週 意欲的な行動』

・参加アクティビティ:運動系+簡単な手作業+チェック作業

・内容:集団体操+新聞紙を折る+テーブルの清潔確認

・評価:時間が空くと落ち着かない様子があるも
アクティヴィティに参加すると集中し、落ち着きのなさも改善。
また、促しがなくても「トイレの掃除してくるわ」
と自発的に行動する様子
が見られた。

・雑学:人間の発達段階にはステージごとに
「発達課題(ポジティブ)」と「心理的社会危機(ネガティブ)」がある。
(エリクソン ライフサイクル論) 
以下、その図

老年期では、今まで生きてきた体験を承認し
生きてきてよかったと感じることで「統合」する。
しかし
その逆を辿ると「絶望・嫌悪」に陥る。
大切なのは
その人の今までを否定し、これからを「できない人」と
レッテリングするのではなく
今までもこれからも「できる人」と
認めていくことが大切である。
(承認はするが行動全てをできる人として放置する解釈ではない)


●『結果と考察』


『結果』
・作業に集中してる時は落ち着きのなさがなくなる。
・複雑でタスクの大作業は拒否が見られる。
・継続した役割と活動参加にて意欲と自発的行動が生まれた。

『考察』
・個人の持つ得手不得手の作業を把握し
本人が「できる作業」を提供し続けることで
「繰り返し小さな達成感が構築された」のではないか。
結果、達成体験から自信が生まれ
自発的に行動ができたのではないかと考える。

●『質疑応答 BPSDの対応の工夫』


●ニヤさんへ質問タイム

『デートで行ってみたい場所?』
『ニヤさんが思う魅力的な人は?』
是非、生の声の質問回答を聞いてみてください♪

No.2 ラフに語ろう介護部屋 リンク 41分40秒から質問タイム


【総評】

認知症の方が施設で
激しい行動があったり、意欲が低下していたりすると
薬物が使用されることもしばしば。

いえこれ自体は問題ではないと思います💡

でも、その行動を
「問題」としているのは
本人でしょうか?
それとも周りの人でしょうか?

周辺症状はある意味
「周囲の人が問題」と捉えている症状なのだと解釈できます。

いや、問題と捉えて全てBPSDと処置したい時もある!w

ただ、
「これは誰にとっての問題なのか?」
っとふと立ち止まって考えることも
必要なのではないかと感じますね💡

非薬物療法としての関わりは
そんな思考に立ち返って関わるから
非科学的な結果が出たりするのかもしれないですね!

では、最後までご拝読
ありがとうございました〜!

皆さん
ラフ介護も
是非聞きにきてくださいね〜♪

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