DJ CAN(39歳) 還元すること…地元の音楽シーンに求めるサスティナビリティ~後編~
人生の転機
わずかながら横浜のパーティーを牽引する立場となり、一方で抜け殻のような自分に気づいた。その時、DJ CANの走るべき針路が変わった。
「責任感」ー。今日1日、本気で仕事をしたのかしなかったのか。
YES or NO。人に対しては誤魔化せても自分にだけは嘘をつけない。
自分が納得する仕事をやり遂げるには「下準備」が欠かせない。それはDJを始めた時から変わっていない。その積み重ねこそが次の目標を現実にするための1番大切なこと。
地道に積み上げてきたものは途中で崩れることがあっても、土台がしっかりしている。だからすぐにリカバリーできるという。
このマインドこそが、ぼんやりとしたものから枠組みのしっかりとしたものへ導いていくようだった。
そして新たな目標が生まれた。
『後継者にバトンを渡していきたい。それは歳をとるごとに強く思うようになっている。』
これからは先導してくれる誰かについていくのではなく、自分が先を行く立場になっていくのだ。
しかし、そうのような立場になっても揺るぎない思いがあるー。
『クラブDJとして居続けたい』
『横浜のDJといえばDJ CAN!と言われるようになって自分を育ててくれたこの街に還元していきたい。
DJ CANのレベルアップが横浜の音楽シーンのさらなる高みに繋がっていくような次元を目指していきたい』
到達した場所で決してあぐらをかくことなく、プレイヤーとしてどこまでも成長していこうとする意欲を静かに感じた。
6年前からTHE BRIDGE YOKOHAMAのアドバイザーとして関わっているが、DJとしても同クラブで開催される多くのイベントにレギュラーとして出演している。
『前から来てくれているお客さんにとっては特にそうだけど、DJ CANとして出入りしていた方が長いし、特別な存在ではないよ。どちらかというとフラットな感じで接してくれた方がうれしいかな。外のイベントに呼ばれても気持ちよく「行ってこい」と言ってもらえるから、自分がDJとして居る方がお店にも色々還元できてると思うし。お店だけでDJしてるとアイデンティティも小さく収まっちゃうかなと。』
『外でDJした時は、お客さんが自分のプレイを聞いて横浜に遊びにいきたいって思ってくれるのが1番うれしい!』
最後に、現在のプレイスタイルにも少なからず影響を与えているであろうオススメしたい楽曲を2つ選んでもらった。
『曲を選ぶのは数が膨大だから難しいけど、今インタビューを受けた時点だと自分がイベントのクローズを任されたらこれ絶対かける!と思うのは、この曲かな。The Weekndはこの曲に限らず音の抜けや鳴りがめちゃくちゃ好み。』
The Weekend / True colors
『もう1曲は、サンプリングされたMarvin GayeとRBL Posseの元ネタもかっこいい。プロデューサーがMustardとGYLTTRYPの共同制作ってところもいいね。』
Wiz Khalifa / Bammer feat.MUSTARD
コア・マスをMIXして新しい層に向けても発信したい
これからの方向性としては、DJとしてのオンラインでの活動も充実させていくという。
また、THE BRIDGE YOKOHAMAでもオンライン配信サービスに力を入れていく予定。
横浜では確固たる地位を築いている老舗クラブだが、より多くの人に知ってもらえるような施策を検討中。
横浜のクラブが近年、減っていく中でそれが担う責任も同時に大きくなっていると感じているそうだ。
彼が想像するすべてのアイディアはまさに持続可能な音楽シーンを創造していくのであろう。
DJ CANのオンライン配信・リリース作品・SNSはこちら↓
THE BRIDGE YOKOHAMA公式HP
次回のアーティストもお楽しみに。
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