見出し画像

そのひと、「推し」であってる?

わたしには推しがいる。
アイドルでもなく、俳優でもない。
ただ一般の人である。
でも私には手が届かなくて推しとして
自分の中で消化した。

彼はとてもかっこよく、
仕事ができる人のように見える。
実際のところは知らないが、私が関わる部分については確実にできるひとだった。

歳は恐らく少し上で、
柔らかい雰囲気を持つ人だ。

私は仕事で色々な現場を転々としている。
その中で彼を見つけた。
数年働いたが、心を惹かれた人は初めてだった。

でも彼からすればわたしは
大勢いる業者のうちの1人だろう。
私だって仕事で行っているが、向こうの仕事の合間で都合をつけてもらう分、
私が個人的な話をする時間を持つわけにはいかなかった。

大勢の中の1人だったとしても
毎日会って挨拶できることが嬉しくて
髪を巻いたり、いつもより少しおしゃれをして
仕事に行った。

私の味気ない毎日に彩りを与えてくれたのは
間違いなく「推し」の存在だった。
推しがいるから毎日幸せ、と思い込むことが
私には大事だった。

でも今どうだろう。
彼のいる職場の担当が代わり、
私は行かなくなった。もう挨拶すらできない。

推しだから良いと言い聞かせて
何も知らないことを後悔している。
結婚しているかすら知らないし、向こうはわたしを認識していない可能性すらある。

少しでも彼の眼に入るには
推しにするのではなく、アピールすべきだった。
もしどこかで会えても向こうは忘れているだけなならいいが、そもそも知らないとなると余計傷つく。

上手くいく可能性は低くても、
少しでも好きならば
アイドル以外、実生活で会える人は推しにしては
ならない。

このノートを読んで下さった同じ想いをしている方には、是非後悔しない方法を選んでほしい。

アピールしても大勢の中の1人かもしれない。
でもアピールせずに気にも止められないよりは
きっと自分の気持ちも変わるのではないか。

推しにするのは今後、
叶わなかった恋だけにしよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?