ウサギとカメ
「ウサギ君、全財産賭けて勝負しようぜ。向こうの丘まで競走だ」
「絶対オレ勝つやん」
「だからハンデくれよ。君は15分昼寝してからスタートするってのはどうだい。それなら僕にもチャンスがある」
「それでも余裕やな」
「やってみなきゃ分からんぜ」
「まあ、お前がそれでいいなら。ネギしょったカモみたいな奴やな」
スタートの合図とともカメは歩き始めました。ウサギはカメの歩くスピードを確認すると勝利を確信し、目覚まし時計をセットして昼寝を始めました。
5分後、カメはスタート地点から1メートルほどのところにいました。振り返ってウサギが完全に眠っているのを確認すると、近くの茂みに向かって合図をしました。
すると茂みの中から、仲間のカメが数十匹ぞろぞろと出てきました。
カメたちはウサギのような素早さでウサギを取り囲み、あっという間にロープでぐるぐる巻きにして、ガムテープで口をふさいでしまいました。
ウサギは目を覚ましましたが何もできません。
「すまないね、ウサギ君。僕らも生きるためだから」
カメたちはウサギをそのままにして、ウサギの家へ向かいました。そしてウサギの全財産を運び出すと、新たなカモを求めて去っていきました。
めかぶは飲み物です。