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チーズリゾットとチキンステーキ


チーズリゾットとチキンステーキですが、昨日は物凄く二日酔いだった訳です。

前日にストロングを700ほど飲んでしまった訳です。

加えて日本酒を5合ほど飲んでしまった訳です。

不沈艦と呼ばれていた30代ならまだしも各部が老朽化した現在では、このアルコール量で簡単に轟沈してしまうのです。


さて以前、日本刀の技術について語らせて頂きました。

これは日本的な工夫が盛り込まれているのですが、日本刀だけではなく私が酔っ払った日本酒にも変態的な工夫がされているのです。


日本で販売されている酒類は大きく蒸留酒と醸造酒に分かれます。

蒸留酒は単に醸造酒を蒸留したものですが、醸造酒とは元の液体の糖分を酵母の働きでアルコールと二酸化炭素に分離させる事によって作られます。


更に醸造酒は単発酵と複発酵に区分されます。

単発酵は元々から甘い果物などを発酵させる事によって生成される酒になります。

ポピュラーなところではワインが相当しますね。


ワインの原料は元々甘いブドウです。

ブドウの皮には酵母が生息しており、潰して放置すれば勝手にアルコールが生成されるのでベリベリイージーです。


しかし穀物を原料とした場合はどうでしょう。

穀物の多くはそのままでアルコール発酵させる為の糖分が足りません。

そこで穀物の炭水化物を糖分へと変える別の発酵が必要になるのです。

これが複発酵と呼ばれるアルコール醸造方法です。


複発酵の代表格はビールで、麦芽の酵素による炭水化物の糖化後に酵母のアルコール発酵が行われます。

麦芽による糖化は1段階なので、これを単行複発酵と呼びます。


そこで日本酒です。

ご存知の通り日本酒の原料は米です。

米に糖分は少なくアルコール化させる為には、何らかの糖化発酵が必要になるのは皆様にもゴリ解出来るかと思います。

その為に日本人が発見したのが国菌とも呼ばれるアスペルギルス・オリゼー、つまり米麹菌なのです。


米麹の炭水化物分解能力は群を抜いており、適切な温度であれば米を高レベルに糖化させる事が可能です。

この糖化させた状態が、飲む点滴とも言われる甘酒です。

その甘酒をアルコール発酵させるのですが、そこからが日本酒の変態的な醸造法になるのです。


元の液体を酵母によってアルコール化させるのが醸造ですが、酵母の能力にも限界があります。

つまり高濃度の糖分では酵母が活動出来ないのです。

糖の分解によるアルコールと二酸化炭素の発生は1対1と言われ、糖度10の液体からは5%のアルコールが生成されます。


一方酵母の活動限界は糖度30くらいなので、これではアルコール度数15位下にしかなりません。

ワインのアルコール度数が14程度なのは、これに由来する訳です。


しかし日本酒の原酒はアルコール度数20にも達します。

これが麹菌の糖化で糖度の上昇を起こすと同時にアルコール発酵を開始して糖度を落とし、更に米と麹の追加で糖化させて度数を上げる並行複発酵という技術なのです。

これにより日本酒の原酒では焼酎クラスのアルコール度数20超えを達成している訳です。


あ、多くの日本酒がアルコール14度なのは、税金の関係でワインと合わせているからです。

出荷段階に水で薄めて瓶詰めしています。


ちなみに米麹のアスペルギルス・オリゼーは私の肺に巣作りしたカビの親戚に当たったりします。

お前か!






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