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サケのホイル焼き
サケのホイル焼きですが、先日りりかるさんからリライトのリライトをお願いされたのです。
まずは、こちらをお読み下さい。
つまり、このリライトした記事を更に私がリライトするという寸法です。
リライトのリライトであるならば原作者の池松さんから怒られる確率も50%減になる訳で、私は命拾いするのです。
しかし、いいんでしょうか。
どのような惨状になっても私、知りません。
なので最初から謝っておきます。
ごめんなさい。
では、始めます。
世界の物は俺の物、俺の物も俺の物
君は小鳥。
ちいさく、柔らかい。
この部屋は鳥籠。
片隅で、君は震えている様に見える。
世界は僕たちのもの。
どこまでだって飛んでいけるはずだった。
希望という名の紙飛行機。
どこまでだって飛んでいける、そう信じたのがジャスティス、真実の王者。
「あのね。私の企画、通ったの」
誰に話しかけているのか分からなかったが、黄昏のサンセットに漂う祭りのフェスティバルは匂いのフレグランスがファンシーだった。
俺は極めて冷静に目当ての屋台を物色し、金魚掬いにターゲットをロックオンする。
「オヤジ、一つちょうだいな!」
金を渡すと、代わりに返ってくるのは曇った虫眼鏡のような俺の武器。
マイ・ライフ、マイ・ウェポン。
ポイポイと掬うから、別ネーミングで「ポイ」と呼ばれる俺の相棒。
カルキの抜かれた水の満たされる水槽に満たされた水を前に、俺は暫し佇む。
金魚の動きを観察する為だ。
他種の小魚と同じ様に、金魚も多少群れる習性があるような気がしないでもない。
金魚の動きは見切った。
後は狩るだけだ。
狙い目は水槽の角。
逃げ場が少ないからだ。
俺は邪魔なガキ共を押し除けて角へと陣取る。
左手に水準器を起動したiPhoneを持ち、利き腕である右手と手動で同期させた。
そしてiPhoneを水面と並行に構え、同時に右手を連動させる。
これはキャッチによる水圧及び金魚の質量を最小限に抑える初歩的な高等テクニックだ。
それでも、戦場ではない場末の屋台ではオーバーテクノロジーだろう。
騒ぐガキ共を無視し、冷静にポイを構える。
狙うは大型の出目金。
それしかターゲティングを行うプロの目に叶った獲物はいない。
俺の右手という猟犬は、脳波による忠実な動きで獲物を追尾する。
そして出目金が酸素不足に陥る瞬間を俺は見逃さないだろう。
全ての準備がスタンディングバイ。
俺の目が鈍く光った。
そして、狙いすませたように俺のポイを出目金は突き破り、水槽へと飛んで戻って行きました。
「オヤジ、金魚に輪っか潜りを仕込む腕は鈍っちゃいないようだな!楽しませて貰ったぜ!」
そのオヤジは何事もなかったかのように子供へお釣りを渡している。
シャイな奴だ。
俺はチョコバナナ屋の横に座り、しばらく4本目のワンカップ片手で人生の余韻に浸っていた。
薄れゆく意識の中で、俺は薄れゆく意識を思う。
高等戦術を調教されたカウンターキラーの出目金、タンホイザーゲートのオーロラ、そして祭りの途中で行方不明となった君。
君も出目金と同じように、君にも地球の世界なワールドへと飛んでゆける君のフューチャーな未来が君を待っているのだろう。
どこまでも飛べ、いつまでも飛べ。
いつまでも、どこまでも!
走れ!走れ!
いすゞのトラック!!
押すなよ!絶対に押すなよ!!