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**校正の大切さ**

この業界では、きっと「ひよっこ」なんでしょうけど校正って本当に大切なんだと痛感する日々です。

++基本的に校了はない++

どんなにページ数が多くても、どんなにお客さまも赤字を入れたとしても、どんなにやり取りをしたとしても、「校了」の言葉をいただいたとしても、刷り上がったときに何か間違いがあれば、それは業者の責任になることを経験したわたしの経験です。

++ルールはあるようでない++

「赤字で指摘をお願いします」なんて言葉は、もう古い気がする。携帯電話の普及でどこにいようとおかまいなしに、修正の連絡が来るからだ。慣れれば慣れる程、要求も高度になって来る。「口頭で言えば早い」これが先方の考えだ。理解はする。しかし、ルールはもはやそこには存在しない。

++受け入れられない業者たち++

しかし、印刷業界で働く人間は、その崩壊した流れを受け容れられない。「赤字でください」の一点張りの対応もまだまだ多い。

外出先の道を歩きながら、修正箇所を携帯で伝えられて道端にしゃがんでメモを取ったことがどれだけあるだろうか?しかし、その内容を口頭で伝えても、シャットダウンは目に見えている。社内に戻って校正紙に赤字を入れて制作チームに送る。時間の無駄としか思えない。

++赤字しか修正しない++

同じ内容はこの業界では「以下同」と言う言葉を使用するが、基本制作チームは、そこまで見ていない。「全部赤字をお願いします」何百ページもある冊子の罫の太さに全て赤字を入れるだなんて、狂気の沙汰だ。あるページに出てきた漢字の送り仮名も、同じパターンなら修正するか、確認をすればいいだけの話なのだが、「赤字がないから」の一点張り。

当時、営業兼Directorをしていた頃は、倒れそうになった(いや、倒れた)

++校正は複数人ですることが望ましい++

ここは、人件費の問題も出てくるので難しいけれどできれば、その案件を何も知らない人に要注意な部分だけでも校正をお願いしたりと、チームを作ることをお勧めしたい。校正だけは、ひとりでは無理。自分のように日本語が曖昧な人間が、漢字の正しい・間違っているを判断できないのがよい例だ。校正は、最後の砦であると考えている。自分は校了直前は予めスケジュールを1営業日多く取って(これは、印刷現場さん、製本現場さんときちんと話した上で)、がっつり1日校正の時間にあてていた。

++校了で安心しない++

校了したからと言って安心してはいけない。印刷現場に前回データが残っているなんてことはよくある。前回データとの違いをCheckする為のシステムもある(便利なようでやっかいだ)。前回データで刷ってしまったら・・・実際にそのような事件が起きて、刷り直しをした経験もある。バトンタッチをした後の話でも、窓口は自分。納期に間に合わせる為に全ての現場と話し合う。

++結局はチームワーク++

誰がいいとか、悪いとかは言わないのが自分スタイル。そこは問題ではない。納期にきちんとしたものが納品できるかどうか?だからだ。その為には何をすればいいか?それを考えるのが自分の仕事。段取りもしかり。「赤字しか修正しない」問題は、この業界はまだまだ続くだろうから、柔軟に動ける人間が、柔軟に先手を打つしかないと思う。そこには、その考えに賛同してくれるその他の役割を担う各現場さんとのチームワークが必須となる。ひとりでは何もできない。これが、ルールだったりする。


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