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マスクが日常によりそうスマートシルクマスクという取り組み

このnoteに書くのも大変久しぶりとなりました。

連載していたユナイテッドアローズ創業者の重松さんとのストール開発。2年たって納められないという超恥ずかし系な進行中のものづくりの話。

実質3年たってまた納めておらず、もうすぐ4年目に突入してしまいそうな勢いです。(情けない)まもなく納品!!というところでコロナウィルスなどもあり、少しストップというところです(くやしい)


それはそれできちんと整理して完結させる予定ですが、現実(コロナウィルス)に目を向けていきます。


色々と日々状況が変化していく中で、私の身近でも感じられるのは、不織布マスクが不足しているという件です。

医療現場でもなるべく患者さんと接する職の人は不織布の使い捨てマスクを使うけれど、そうでない人はマスクの在庫がなくなるということで再利用をして使っているなどの話も聞きます。

また政府より布マスクを各世帯に2枚配布する、と発表がありました。これは一般の方はなるべく何度も使える布マスクを着用し、不織布マスクを優先的に医療現場に回す為の施策とのことです。


ただ現状は

・各家庭で2枚で足りるとも限らない。
・布マスクも品薄
・小さい子向けのマスクが特に品薄
・マスク作成に必要なゴムなども品薄

そのような中、わたしたち絹織物工場として、何ができるかを考えました。

もちろん、今あるシルクの生地でマスクを作ることも出来ます。

ただ、それでよいのか。

もっとわたしたちだからこそできることはないのか?と考えました。



わたしたちとしての一つの答え


白生地工場なんだから、

「効率よくマスクを作れる白生地を作る。」

こと。

私たちの原点は白生地です。

私たちのスローガン「白生地に、みらいをのせて。」です。


マスクのための生地に何の意味があるか

シルクはやはり高い素材で商品も一般的には価格は高くなります。高くてほしい人に手が届かないというのはやはりこの状況下では困ります。皆が困っているのです。

そして時間がかかるというのもよくありません。もちろん困っている人にすぐ届けることもそうですが、製造者側としても企画して製造してものりおくれて在庫の山なんてのは良いことありません。


つまり、コストを抑え、スピードを早め、上代を抑える、です。


では、商品の上代を抑える為には、原価を下げなければいけない、


人件費(安い国で製造など)を下げるか、材料費を下げるか、加工(縫製)コストをさげるか、流通を変えるか、当社の利益を減らすか、などあると思います。


それらの中でわたしたちが目指したのは、

効率よく作れる生地があれば、縫製は簡単で縫製単価も下がり、納品時間も短縮される、ということです。

また、手縫いで作れるぐらいに縫製を簡略化できる、生地を設計し、自作キットとすることで、生地製造からすぐに出荷できたりもします。その分コストも下げれます。(もちろん、縫うのが苦手な人もいると思うので商品化もしますが)


その中取り組んだのは、スマートシルクマスクというものです。


スマートシルクマスク

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外出を控えなければいけないなか、いま一番必要と言われている「マスク」を楽しく作れるように「どれだけ簡単に、どれだけ上質な、シルクマスクを作れるか」を追求したマスクのためのシルクの生地と手順です。


また、マスク着用シーンが多岐に渡ることが予想され、マスクを楽しむという前向きな発想で、その中で シルクが ライフスタイルの中でいかに寄り添うことができるかを追求するものです。


つまり、取り組みというか思想というかプラットフォームというか・・・

ようは私たちにとってはマスク単体の商品だけを言うのではない、ということです。


そもそも、マスクがシルクである必要はあるの?


よく言われます。もったいなくてつけれないよ、と。笑

でも個人的には、ほぼ毎日デリケートな顔につけるものだから、安全で肌にやさしく、かつ顔周りが華やかになり、保湿性がよくお肌が潤うシルクが、とっても良いのではと思っています!

たしかに経済的に停滞している中で贅沢品とも思われるかもしれませんが、こういうときこそ気持ちを盛り上げるものが必要。その気持が再興に向けて必要だ、と思ってやっています。

私たちはシルクが日々の生活にうるおいを与えられる存在になると信じ元気にやっています。


では、シルクはどういう素材なのだろう?知っていますか?

絽紗シルクストールを通じて一般消費者から感じたのは「シルクは高い・洗えない」というイメージだけを持たれている方が圧倒的に多いということです。光沢があるから水をはじくと思っていた、という人も(めっちゃ吸い取ります)。。

高いは、価格は工場から直販することで少しは抑えられます。

洗えないは、たしかに糸がデリケートなので摩擦に弱いので洗濯機は難しい(単独でネットにいれれば大丈夫なんですけどね)ですが、手洗いはOKです。

それだけでなく、本当に知ってほしいのは、

シルクは抜群の機能性を持った天然繊維であること、またご家庭での時間に癒しを与えられる存在であること、と思います。

このような機会でシルクの魅力を伝えられたらと思っています。


シルクは動物性たんぱく質。だからお肌に安全


「肌は第三の脳」と言われるほど繊細です。動物性たんぱく質で出来ているシルクはもっともお肌に近い素材といえます。 幼児性アトピーも近年で飛躍的に増えています。

長時間つけるものだから少しでもお肌に安全で、かつ肌触りのよいものをつけていたい。お肌に弱いお子さまはもちろん、皮膚疾患でお悩みの大人の方にもお使い頂けます。

木綿の1.5倍の吸水性や速乾性があります。

天然繊維の中でも、シルクは綿の1.3~1.5倍の吸水性があり、放湿性も綿に遜色ない特徴をもっています。

人体からは1日ほぼ1リットルの水分が発散されています。この水分を吸収して外に放出する通気性が着用時の快適さに関係します。シルクは水分をとても吸収し、すぐに乾きます。

毎日洗って使うシルクマスクにとって必要な機能性を兼ね備えています。

保湿性が高く美肌効果が高い

シルクは天然繊維の中でも最も細く長いため、繊維と繊維の間にたくさんの空気を含むことが出来ます。すきまの空気の断熱効果により、外の寒さを伝えにくく、軽やかで、薄くても暖かみがあります。

保湿性・保温性も他の繊維に比べて高いので、肌へのストレスも少なく、人の体にとっても心地よく感じる美肌効果の高い繊維です。

吸湿性や保温性に優れている

シルクは吸湿性が優れていて放湿速度が大きく、さらに保温性に優れた繊維で、「冬は暖かく、夏は涼しい」快適な天然のエアコン素材です。

日中のウィルス対策としてだけでなく、寝る時の乾燥対策などにも使えます。

薄くて軽いのでつけ心地がよい

シルクはとても細い糸です。そのためとても弱いように思われますが、引っ張り強さは羊毛や綿よりも大きく、繊維の中では強靭な部類になります。

長時間つけるマスクにとって、薄くて軽いということは体へのストレスを抑えられとても嬉しいことです。

紫外線(UV)をカットする

シルクは繭の中の蚕が紫外線を浴びないように守る機能があります。

シルクの紫外線カット率は90%前後と、極めて高い数値が報告されており、衣類だけではなく、美容・健康・医療分野からも注目を浴びています。

気品ある光沢はどのようなシーンにもマッチ

シルクの光沢は、よく真珠にたとえられます。真珠は、波長によって表面で反射するものと、内部まで透過してから各層で反射するものが干渉して、気品のある光沢を生みだします。

今、マスクは衣料の一部(エチケットとしても)といえます。人と接する時に品の良さを醸し出すシルクマスクは冠婚葬祭を含め、どのようなシーンでもお使いいただけると思います。

シルクは簡単に洗えます

多くの方はシルクは洗えないと思っていますが、シルクほど水と親しいものはないと思います。織るときも、染める時も、水を使います。

シルクの糸の表面は柔らかいので、こすれないように手洗いや浸し洗いすれば大丈夫です。

シルクは摩擦に弱い 

シルク=洗えないというのは、その繊細さにあると思います。肌触りがやさしいのは、その繊維のやわらかさにもあります。摩擦により表面が毛羽立ってくると光沢感が薄れてきます。

シルクといっても色々あります。(少し脱線)

シルクと一言で片付けられてしまいますが、色々です。色んな違いがありますが、

シルク糸の蚕の種類の違い

わかりやすくいえば、家蚕=養殖、野蚕=天然みたいな感じでしょうか。蚕の種類が違うとはく糸が違います。着物やスカーフで用いる節がなく引き揃った糸で美しいものは家蚕糸です。

シルクといってもゴワゴワしていたりするものもあります。蚕の種類によってこれシルク?というものも。

糸の製造の仕方の違い

わかりやすく言うと、繭から糸にする段階で、きれいな部分と使えない部分があります。

きれいな部分は生糸(きいと)といい、1~1.5kmほどの長さ(これを長繊維=フィラメントといいます)があり、それを何本か引き揃えてシルクの糸とします。

それ以外の選別にもれた部分を人工的に短くしてつなぎあわせ(ノンフィラメント=短繊維)にし、撚り合わせて糸にしたものを紡績糸といいます。

また、生糸にできない屑糸をつぶして真綿にして、そこから糸を引いたりする紬糸などもあります。

同じシルクでも全く異なります。長繊維である生糸は引張につよいのでハリのある織物に向きますし、シルクの肌着などは柔らかさが必要なので、紡績の糸が向いているでしょう。それぞれの商品に応じて糸を使うわけですが、もちろん糸が違えば、扱いも変わってくるものです。ニットは洗えば縮みますが、しっかり織られた織物はほぼ縮みません(ものによる)

このようなことを消費者に伝えても難しいですが、要はシルクといってもいろいろですよ~~ということです。よく商品説明を読んでくださいね~~ということです。

布の作り方の違い

例えばシルクの肌着などは編物(ニット、メリヤスなど)です。編物と織物(布帛)では、布をつくるための糸の使い方が違うため、結果的に特徴が違います。

編み物は糸が絡まってできるため伸縮性や柔らかさがありますが、密度は高くなく、強度面では劣る。

織物はたて糸とよこ糸が絡まってできるので高密度でハリがありますが、収縮性は少ない。


さて、シルクの概要が長くなりましたが、私たちがご用意したマスクのための白生地はこんな感じです。

生地概要-1050ー1050

生地は高密度な五泉羽二重を使用

わたしたち横正機業場は新潟県五泉市で、主に着物や法衣でもちいる高級シルクの染める前の白い反物(白生地)を織っています。数ある生地の中で、マスクに適していると考えたのはやはり「羽二重」です。

平織りと言われ、一番織り組織の中で密度が高くなるものを選びました。

さらに五泉の羽二重は、糸を撚らずに、何本かの糸を濡らして水の吸着力で束ねて織る「濡れ緯(ぬれよこ)」という伝統技法を用い、糸と糸を密着させることで、高密度で輝かしい光沢を放つ白生地を生み出します。

とはいえ、まだマスクのウィルス試験などが出来ているわけではないので、完全にウィルスを遮断するものではないと思います。ただダダ漏れではないと思います。

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マスク作るのに効率的と思う生地幅で織って縫う箇所を減らす

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通常は大きな布から型紙をあてて裁断します。しかし自作出来るようにしたときに、型紙からだと少し抵抗が。。それなら専用幅で生地を織ればよいのです。

私たちの織り機は古いものでシャトル織機といいます。化学繊維をつかって超高速に織っていく織り機ではありません。仕組みの違いもあり、このシャトル織機の場合、生地の端に折り返す耳と言われる部分が出来ます。

マスク専用幅で織ることで、耳ができて縫う箇所を減らし、縫製の手間を減らします。それだけでなく、縫製がないほうが膨らみもなく、生地の美しさをより表現できると思っています。五泉シルクの美しさを伝えたいので、細かい部分にもこだわりました

簡単に2重に出来る仕組み。

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ウィルスを遮断するには何枚もの層がある方が効果的のようです(すみません、なにかのサイトでみましたが忘れました・・・)

マスクを作るときに簡単に生地を重ねられたら楽なのに、と思っていたので、折り返して簡単に2重にできる生地にしました。

折り紙でもキレイに折り目がついていると仕上がりが美しいですよね。そんな感じです。


この生地を元にマスクを作るとどうなるか


一例です。

大人向けプリーツタイプ(所要時間30分)

大人用マスク説明

工程:直線縫い2箇所、ゴム紐の止め縫い4箇所


たたんで

スマートシルクマスクファブリック_手順2

アイロンでプリーツつくり・・・(これが少し手間なのでこれがないタイプを企画中です)

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仕上がりをキレイにするにはプリーツのところにコバステッチ?を入れると良いらしい。。研究中

三ツ巻して縫う

スマートシルクマスクファブリック_手順7_表

ゴム紐を縫う。(もちろん、輪に通しても可)

これで出来上がり。

スマートシルクマスクファブリック_商品_プリーツタイプ

不織布マスクから取り外してノーズワイヤー入れるのもお勧めです。

スマートシルクマスクファブリック_手順8

直線縫いしてはずれないように。

スマートシルクマスクファブリック_手順10


子ども向け小さめタイプ(所要時間20分)

子供用マスク説明

子供用マスク着用写真

工程:直線縫い1箇所、ゴム紐の止め縫い4箇所、簡易プリーツ2箇所

2回たたみ

スマートシルクマスクファブリック_手順11

1箇所直線縫いし、生地をひっくり返す。

スマートシルクマスクファブリック_手順12

ゴムひもを4箇所止め縫いする。

端をつまみ縫ってあげるとシルクらしい美しさがでます。

スマートシルクマスクファブリック_手順13

これで完成。

スマートシルクマスクファブリック_商品_スマートタイプ


なお所要時間は個人差ありますが、

子どもができたころに少し手作りして、もう久しくミシンは使っていない、という人に作ってもらい、その時間に少し余裕みた感じです。

この後どうなっていくのだろう

長引く心配もありますし、本業でないマスクにどれだけチカラを注ぐのか、という心配もあります。

でも足を突っ込んだら本気でしなければと思い、シルクマスクのあり方を模索しています。もちろんバランスを考えながらです。

縫えないから商品になったらほしいという声もあるので商品化もしますし、色んなシーン(TPO別マスク)というのが増えて行く気がしますので、それに対応していこうと思います。

また外出を想定したマスクではなく、オフィス内で快適に仕事が出来るための心地よいマスクだったり、家庭で快適にすごせるマスクなども需要がありそうですし、シルクがお役にたてそうな気もします。

それらを当社としてのどのような伝え方をするかたです。

作っただけでは意味がなく、自社ブランドを知って頂いたりする機会にぜひしたいです。

スマートシルクマスクは、そのマーケティングプラットフォームのようなものでもあり、そこからプレゼンテーションレイヤー(いわゆる表面です)を変えることで、洗練されたものにしていきます。


絽と紗のシルクストール「絽紗-ROSHA-」らしさ

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※写真は試作中のもの。

美しく、強く、たおやかに生きるこれからの女性のために。シルクストールとあわせてコーディネートすることで、あらゆるシーンで上品にまとまります。ゴム紐ではなく別注で編んだシルクの紐、上品に耳に負担を与えず快適です。

※ストールの生地を、ベース生地と結合することで、作ります。

シルクのベビーウェア「しろずきんちゃん」らしさ

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※写真は試作中のもの

赤ちゃんからキッズまで。お肌に悩む方も多いです。そして、大人は我慢してくれるけど、こどもはつけて不快だとすぐ外します。シルクならつけてくれるかな、つけてほしい、と願い、上品だけどかわいいタイプのマスクを企画中です。


どこで買えますか?

長くなりましたが、ここで販売しています。(今はキットだけ)

自社ブランドのシルクストールの絽紗です。(ぜひ!笑)

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感謝。工場ご案内します!五泉よいとこいちどはおいで。
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㈱横正機業場の専務。新潟県五泉市で絹織物白生地製造を行っています。2013年に36歳でシステムエンジニアから家業に入る。兄である社長と共に、白生地(素材)の素晴らしさはもちろん、「100年企業」としての歴史を支えた職人さんに感謝し、次の100年に向けて、白生地のみらい、を探る。
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