毒親だった肝臓がんの母から「いい娘を持って幸せだ」と言われるまで(5)

父に対する不平不満は、際限もなかった。

父と母はいとこ同士で、結婚を決めた理由は「そんなに悪いヤツではなかった」からだそうだ。

でも、結婚したらどうにも理想と現実は違ったわけだ。だからって、子供に愚痴って。

私は絶対に好きなひとと結婚するつもりだった。

ところが、信心が婿を決めるものさしだった両親は彼氏を連れてくるたび、ケチをつけて追い返した。

結婚するつもりが唯一全くなかった男だけ、信心しますと言った。

えーちょい待って。私コイツと結婚させられるの?

腹黒ではなさそうだが、全くときめかないけどなあ。

これがだいぶ腹黒い男だった。

信心すれば結婚を許すと言った父と母。それはそれで一般的に「カルト集団」と見られる理由の一つであることは否めない。

しかし、この男は「一回信心して結婚してしまえば、子供を作って動けないようにした後で脱会するつもりだった」と家栽の調停員に答えてドン引きされている。


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