転職活動記ーはじまり・会社をクビになった話

絶賛転職活動中なのですが、その経緯を書き留めておきたいと思います。

私はあるフィリピン郊外にある日本語学校で、総務マネージャー兼日本語講師をしていました。

体調が悪かったので1週間ほど休みをとり、休み明けの2021年2月2日、久しぶりに出社をすると別の部屋に呼ばれ、人事からその場で解雇を伝えられました。クビです。

理由は、契約終了と評価基準を満たさなかったため。

確かに前々から辞めたいなとは思っていましたが、事前通知なし・即日解雇を言い渡され、頭の中は大混乱。びっくりしすぎて、はてなだらけでした。

私は持病があるので定期的に医師の診察を受けているのですが、医師からも職場環境に問題ありと指摘されたばかりなので、その場で解雇を受け入れました。

雇用契約書のコピー、在職証明、最新の納税証明を今日中に手配することを条件に出しました。

書類の整理をし、引き継ぎシートを作成し、社内でお世話になった方々にメールをし、最終給与と誓約書にサインをさせられ、会社を後にしました。

肝心の日本人の代表は私に解雇について一切説明をせず、さっさと帰宅していました。クソ野郎です。

サプライズで日本語学校の先生たちがお別れパーティを開いてくれて、大泣きしました。あまりにも理不尽で、突然すぎて。嬉しいのか、悲しいのか、よくわからない気持ちでいっぱいでした。

帰宅して夫と娘にハグしながら、泣きました。初めて経験する出来事で、どうしたらいいのかわかりませんでした。明日から無職です。コロナ禍で仕事は見つかるだろうか、これからどうしよう、不安しかありませんでした。

翌日、人事からもらった書類を確認していると、不自然な点が。

まず、納税証明書の金額がおかしい。少なく申告されていて、おそらく脱税分があるのだと気づきました。よく見たらスペルが一部違う。よって、偽物だと判断。

次に雇用契約書のコピーがない。入社時にサインしたのに、何度言ってもくれませんでした。最後にもなし。おそらく証拠を渡したくなかったのでしょう。

最後に、誓約書。大まかに言うと、会社のことについて口外しないようにという内容でした。読まずにサインしてしまった私は大バカ者です。サインしなければよかったものの…。

まず、不当解雇に当たるのではないか、と労基（フィリピンではDOLE）に電話をしました。今はオンラインで受け付けているので、管轄地域事務所にオンラインで申請してくださいとのこと。経緯を事細かに記載してオンライン申請し、翌日電話がかかってきました。

結果は誓約書にサインしているので、難しいだろうとの回答でした。弁護士をつけて訴えることも可能だが、負ける可能性が高いと言われました。

愕然としました。やられた、と。数日間怒りと悲しみでいっぱいでした。無知な自分が恥ずかしくて、情けなくて、やりきれませんでした。

ですが、次の仕事を探さねばなりません。すぐに日本語と英語の履歴書、職務経歴書を作り直し、人材派遣会社に連絡をとりました。求人数は少ないものの、紹介してもらった仕事に早速応募しました。

ある日、元職場の人事から電話がありました。契約残り分の娘の社会保険料を払えというのです。配偶者までしか扶養に入れなかったので、娘は任意で支払いをしていました。しかし、それは私が雇用継続して成り立つもので、私自身の社会保険が使えなくなった今、なぜ支払い義務があるのでしょう？保険会社から私に直接連絡もありません。会社として一括で保険会社と契約しているので、私に非はありません。無計画な会社が悪いんです。

電話ではなく、証拠の残るメールで猛抗議をしました。事前通知なしに不当解雇をしておいて、社会保険残り分を払えとは虫が良すぎる。人事評価表、雇用契約書のコピーを再度催促し、電話での回答は受け付けないと明記。何度も電話とテキストがきましたが、全て無視しました。最終的に最終給料の支払いのお知らせとともに、社会保険の残り分を払えとメールがきました。

全く話が噛み合わないので、返信はしませんでした。それから連絡もないので、諦めたのでしょう。

その後、元同僚とディナーをする機会がありました。クビになってから2週間後くらいだったと思います。なんと、衝撃的な事実を知りました。

＊以前にもDOLEから何度も是正勧告を受けていたが、賄賂で丸め込んだこと。今もおそらく続いていること。

＊ライセンスなしで人材派遣業もやっていること。

＊POEA（海外雇用庁）からも是正勧告が2019年頃にあったが、賄賂でその場をおさめたこと。

＊納税証明書は偽物で、BIR登録番号すら存在しない、つまり脱税していること。

＊渡航前費用と称して、連携する金融機関への借金の斡旋と仲介手数料をもらっていること。

＊以前私と同じような手口でクビにされたスタッフがいて、同様の扱いを受けていたこと。

…ひとことで言えば、根っからのブラック企業で、違法だらけな会社だったという事実でした。

このような経緯で転職を余儀なくされてしまったのですが、結果的には、逆にクビにされてよかったと思いました。犯罪行為に加担していたと思うと、今でもゾッとします。

今度は実際の転職活動について、まとめようと思います。

ここまで読んでくれて、ありがとうございました。