明治維新の暗黒面を掘り起こす〜『仏教抹殺』
◆鵜飼秀徳著『仏教抹殺 なぜ明治維新は寺院を破壊したのか』
出版社:文藝春秋
発売時期:2018年12月
日本の宗教は世界の宗教史のなかでも特殊な歴史を刻んできました。中世以降江戸時代まで、神道と仏教が混淆していたのです。平安時代に生まれた本地垂迹説という神仏習合思想がその土台を成しています。日本の神々は仏菩薩が化身としてこの世に現れた姿だとする説です。外来宗教であった仏教が日本独自の神道と無理なく混じり合い、寺と神社が同じ敷地内に共存するのは当たり前という状況が長らく続き