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②ふつうが消えた日

ある日の夕方、部屋はめちゃくちゃに荒らされていた。

それは私が15分ほど外出した際に起こったことだった。近くのスーパーから買い物をして帰ると、何か異様な雰囲気を感じた。カーテンが半開きで家の中の様子がなんとなく見えた。これまでのこともあり、とても嫌な予感がした。

家の中に入ると、変わり果てた息子の姿があった。これ以上の事実は書かないでおこうと思うが、本当にひどい状態だった。私は夫に連絡し、すぐに帰ってきてもらった。そして救急車を呼び、息子は搬送された。私も驚きで呼吸ができなくなり、救急車で別の病院に搬送された。私は1日で退院したが、息子は10日間ほど入院した。

そこで主治医からの話では、おそらく精神疾患を抱えているとのことだった。ここは小児科で、息子のような症状を診ることはできるが、もっと専門的な治療が必要ということで小児精神科を紹介された。

この日を境に、私には「普通」が贅沢であることを知った。

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