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偕成社少女世界文学全集9~16


9.日向丘の少女 / 沼の家の娘 ビョルンソン / 山室静、ラーゲルレーブ / 山室静

『日向丘の少女』は読んでなかったけど、小学館世界J文学館から、未だ絶版にならずにいるとは!今更ながら読んでみようか?
案の定、ラーゲルレーヴの方は絶版だったが、まあ『ニルスのふしぎな旅』って代表作があるからね

10.嵐が丘 エミリー・ブロンテ / 船山馨

小学生の時に読んだ『嵐が丘』は、ヒースクリフの真っ当さとキャシーの身勝手さが、この恋愛を不条理なモノにしてると思った
キャシーがヒースクリフを愛しながらエドガーと結婚するのが、生活に困ってない子供には理解不可能だった
大人になってから映画で観てるうちに、ヒースクリフの真っ当さは男の真っ当さで、キャシーの身勝手さは女の身勝手さでありながらも母になる身の保身としての真っ当さでもあると気付いた
恋愛の不条理が生じるのは、少女が女になり女が母になるのとは対照的に、男は少年のまま主義を貫けるトコロにあるのだとも知った
何度も映画化されてるが、最初に観たローレンス・オリヴィエは魅力的過ぎて、子供の頃に想像してた惨めなヒースクリフとは別人だった
セッションでケイト・ブッシュの Wuthering Heights を歌った時は、レイフ・ファインズのヒースクリフを思い描きながらだったがね
しかしこんな愛憎劇がよく児童書になってたもんだわ、さすがに今は絶版だけど

11.制服の処女 ウィンスローエ / 富沢有為男

児童版は絶版だが、角川文庫と映画のDVDはある

12.若草物語 オルコット / 川端康成

訳者が川端康成ってのが凄い!!
これはやはり不朽の名作で児童版も欠かせないが、どうしても映画の印象が強い
しかし近年になって完訳版を読んでみたら、だいぶイメージが違ってた

13.悲劇の王妃 ツワイク / 大原富枝

原題は『Marie Antoinette』
池田利代子がこの小説に感銘を受けて『ベルサイユのばら』を描いたのだから、児童版が無くても『ベルばら』読んでおけばいい
1巻は見慣れてる幼さが残るマリー・アントワネットも愛らしいがフェアベル版のオスカルも凛々しくて好い

14.ロミオとジュリエット / 夏の夜の夢 シェークスピア / 桂芳久

1つの全集に2冊も要らないだろうと思うのだが、シェイクスピアの代表作的な『ロミオとジュリエット』、そして『夏の夜の夢』
『ロミオとジュリエット』は「10歳までに読みたい世界名作plus」にもあるが、恋愛の物語がわかるんだろうか?いや、確かにジュリエットも14歳で初恋だったのだが・・・
国立図書館コレクションの「こどものシェークスピア」は、原本をスキャニングしたモノだが、1926年の出版っておおよそ100年前だ
『真夏の夜の夢』以外の収録作品が渋い

  • あらし

  • ヴエニスの商人

  • マクベス物語

  • ペリクレス王

  • 親不孝な王女

  • まちがひづくし

15.あしながおじさん ウェブスター / 中里恒子

『赤毛のアン』と『ジェーン・エア』と『あしながおじさん』は3大苦手な少女小説なので割愛
アマゾンで検索すればいつでもいくらでも入手可能の一冊

16.クォ・バディス シェンキェビチ / 野田開作

ちょうど聖書を読破しようと躍起になってた時に読んだので、ペテロの登場シーンと新約聖書の記述を照合してみたりした
またネロ帝がなぜ愚帝だの暴君だのと批判を受けてるのか、興味津々で調べ始めて、古代ギリシア・ローマに興味を持ったし、知る程にネロが好ましく思えるようになった
その後セネカの「死生観」に感銘を受けつつも、ペトロニウスの『サテュリコン』の放縦さに悪酔いし、人間の行う善行と悪行の総てを見せてもらった気がするが、それが今の自分の大部分を形成してるだろう
映画では奴隷女ユーニス(エウニケ)が美しかった


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