夏休みの宿題現象
学生時代の8月31日に良い思い出は無い。
なぜなら、捌ききれなかった夏休みの宿題で、ひーこら言っていたから。
その日に捌ききれたら良い方で、ひどいときは最終的な提出期限まで終わらなかったことさえある。
宿題というのは出さないことには終わらない。先生は未提出を許さないし、どんな形であれ提出するまで催促してくれる。
社会人になってから、夏休みの宿題と同じようなことが多々あるな、と思うようになった。
急な仕事や用事で後回しにしてしまう重要タスク。
違和感を覚えつつも緊急性が無いので放置してしまっている改善点。
そういった類のもの。
先生よろしく、誰かが監督してくれていて、催促してくれるのならまだマシだ。
問題は、誰からも咎められもせず、催促もされず、それでも自分だけが違和感を抱いているようなことを、違和感を抱いてそのままにし続けているようなことだ。
その違和感は、ずっと残る。
でもって、解決しないままでいると、様々な形で度々襲い掛かってくる。
それで、都度、
「ああ、もっとあの時に勉強していれば良かった」
とか思うはめになる。
それらは一般常識だったり、考え方だったり、専門的な知識だったりする。
しっかり身に着けて、対応できるようになっていれば、こんな後悔をすることも無かっただろうに。
もしかすると、それらはずっと付き纏うものなのかもしれない。
だとしたら、私はずっと、尽きることのない夏休みの宿題をやらされているのだろうか。
だとしたら、この人生は、終わることのない夏休みだとも言えるのだろうか。
そんな夏休みなのだとしたら、あんまり嬉しくも無いのだが。
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