コロナ教
つい最近、話題の宗教に入ってみた。コロナ教ってやつだ。どんな宗教なのか分かりやす過ぎるほど簡単に説明すると、世界中で流行している新型肺炎を「神が地上に起こした奇跡」とはやし立てる宗教だ。それってやばい団体なんじゃないのかって?ああ、俺も最初はそう思っていたよ。だけど、偏見だけで物事を決めつけちゃあいけないだろ?何事も自分の五感で確かめなくっちゃあ、真相は分からないってのが俺のモットーだ。だから入ってみたんだよ、コロナ教に。
コロナ教に入った最初の感想は、「案外まとも」だってこと。新興宗教って言うと、教祖的な怪しいヤツを祀り上げて、洗脳だの、お布施だのを彷彿とさせるけど、うちの宗教では一切そんなことはしない。むしろ、宗教的ですらない。行動を制限されることはないし、定期的な入信費の徴収やお祈りみたいな儀式も無い。どこが宗教なのか、分からなくなるくらいさ。
だったら何をするのかってのが、疑問に思っているところだろう?焦るな、分かりやすく教えてやる。コロナ教では、新型肺炎の感染拡大ーつまりはこの世界の現状ーが、いかに主たる神の思し召しの表れであるのかを講義で解説する。もちろん、感染のリスクを考えて、オンライン講義という形をとっている。
新型肺炎の感染拡大を、コロナ教では「好機」と捉える。この状況が好機、だなんて、不謹慎に思うかもしれない。いや、実際、確かに不謹慎だ。ただ、俺の話を最後まで聞いてほしい。現状が好機であると捉えられる理由は、日ごろ体験できないことに没頭できるよいきっかけであるということ、リモートワークなどの新しい働き方の利便性が証明されるきっかけであること、さらにはコロナウイルスを前にして、全世界が一丸となるきっかけとなる、といった理由が挙げられる。ひとことでまとめると、人類が次のステップへ進むための好機なのである。まあ、やすやすと都合よくは捉えられないってのが実情だろうけど。
たださ、そういうふうに好機と捉えるってのがいいと思うんだよ。確かに経済は低迷するし、いろいろと不都合はある。そんな中でもこの状況をなんとか楽しもう、という心がけが大事なんだ。その方がきっと経済も回るし、人々が生き生きとすると思うんだ。そんなわけでどうだ?あんたも一緒にコロナ教に入ってみないか...?
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