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【人間と人形】

 知人の館で一晩を過ごすことになった。
 食事中、知人は少年の人形を傍らに置いていた。自慢の品だという。やけにリアルだ。

 夜中、寝室で眠っていると。
「タスケテ……」
 声の主はあの人形。
 なんだ、やけに人っぽいと思ったら、人形のフリしたただの人間だったのだ。

 がっかりした俺は再びまぶたを閉じた。

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