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【氷の魔法使い】

「ちゅーもーく」
 クラスの中心で叫ぶ。
「今から氷の魔法を披露しまーす」
 なに、急にどうした、とざわつく皆。
 注目を浴びる中、両手で力を溜めるような仕草をして。
「大寒波ッ!!」
 一気に解き放つ。
 ……静まり返る教室。
 あまりのつまらなさに失笑すら起きない。
 俺は得意げに笑う。
「ほら、凍りついた」

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