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【大輪の花】

 隣に彼女、夜空に花火。次で最後のしだれ柳。音に合わせて告白しよう。失敗してもごまかせるから。
 ひゅう、と昇ってく花火玉。開く寸前を見計らい、

「好きだ……あれ?」

 爆音が鳴らない。

「遅れて開くんだよ」

 と笑顔の彼女。

「ちゃんと成功するから」

 そして目を閉じ、爆音の中、僕らは長いキスをした。

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