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年収300万円で住宅ローンを借りて家を建てたい!いくら借りられる?意識すべきポイントは?

1. はじめに

住宅ローンを借りるのは、その後の長期的な返済を考えると勇気がいるものです。自分の収入でも住宅ローンを返済できるのか、そもそも住宅ローンを借りることができるのか気になる方も多いでしょう。

先日、とあるご夫婦から「年収300万円でも住宅ローンを借りられますか?」というご相談を受けました。ちなみに、私はこのご夫婦に「年収300万円でも住宅ローンを借りることはできますよ」と伝えています。

この記事では、年収300万円の方々が実際に住宅ローンを借りる場合、どんな点に注意すべきかを解説します。借りることのできる金額や住宅ローンの審査に通るポイントをまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。

2. 年収300万円の生活費を計算してみよう!

まず、年収300万の方々はどのような生活を送っているのでしょうか。手取り金額や各種出費から、ライフスタイルを想像してみましょう。

年収300万円の場合、手取り金額は約240万円です。月収に直すと約20万円です。この数字は独身・既婚や世帯の人数で前後するので、あくまで参考として考えてください。次に、一般的な生活費の内訳を見てみましょう。

年収300万円の世帯の一般的な生活費
年収300万円の世帯の一般的な生活費

こうして計算すると、年収300万円で生活する場合は貯蓄に回せる金額が非常に少ないことがわかります。大きな固定費である住宅費の他、無駄な出費を抑えつつ月2〜4万円を貯蓄やいざという時に使えるお金として用意しておきたいものです。

3. 年収300万円で借りられる住宅ローンの総額。毎月いくら返済することになる?

年収300万円の方が住宅ローンを借りる場合、総額いくら借りることができるのでしょうか。また月々いくら返済することになるのでしょうか?実際に計算してみました。

(1) 年収倍率から考える借入可能額

年収倍率とは、不動産の価格が年収の何倍かを示す倍率です。年収500万円の人が2000万円のマンションを購入する場合、年収倍率は2000万円÷500万円=4倍ということになります。

住宅ローンの借入額は、年収の5〜6倍で計算するのが一般的です。つまり、年収300万円の場合、一般的な住宅ローンの借入限度額は1500万円から1800万円が目安となります。

ただし、これはあくまで一般的な目安であり、金融機関による審査結果や個々の生活状況により変動します。また、この金額には土地価格や建築費、諸経費も含まれるため、実際に使える金額はこれより少なくなることを覚えておきましょう。以上を踏まえ、具体的な計画を立てていきましょう。

(2) 返済負担率から考える借入可能額

返済負担率は、1年間の負担額が年収に何割にあたるかを示す数字です。仮に年収500万円の人が年間100万円の住宅ローンを返済する場合、返済負担率は100万円÷500万円=20%(0.2)となります(金利は含まず)。

住宅ローンを借りる場合、返済負担率を手取金額の25%以内にすることで返済の負担や、返済が困難になるリスクをある程度軽減できるとされています。年収300万円の方の場合、240万円の25%ということで、年間60万円(月間5万円)以内が妥当な返済額と計算できます。金利を1.5%(35年全期間固定)で計算すると、年収300万円の方が借りられる借入可能額の上限は1,633万円ということになるわけです。

(3) 月々の返済可能額はいくらになる?

年収300万円で住宅ローンを借りる際、金利や返済期間は月々の返済額に大きく影響します。当然、金利が高ければ高いほど返済総額は増えます。また、返済期間が長ければ長いほど、毎月の返済額は少なくなりますが、トータルの返済額は増えます。

仮に1,600万円の住宅ローンを借りる場合、金利・返済期間の違いで月々の返済額・総返済額がどのように変わるのかを試算しました。なお、返済期間中は金利が変動せず固定されている(全期間固定金利)で試算しています。

金利・返済期間で変動する住宅ローン1,600万円の返済プラン
金利・返済期間で変動する住宅ローン1,600万円の返済プラン

(4)rooTreeで世帯年収300万円のプランを考えました!

rooTreeでは実際に、世帯年収300万円の家族が中古マンションをリフォームした場合の返済プランを計算しました。Instagramに細かな間取りやポイントも記載しているので、ぜひチェックしてみてください!

出典:https://www.instagram.com/p/Cxg-N-9PME1/?utm_source=ig_web_copy_link&igshid=MzRlODBiNWFlZA==

5. 年収300万円で住宅ローンの審査を通過するためのポイント

住宅年収300万円の方が住宅ローンを借りる場合、総額いくら借りることができるのでしょうか。年収300万円の方でもローン審査は通りますし、年収1,000万円の方でも信用情報に疑いがある場合(他の借入があるなど)、ローン審査に落ちてしまうことがあります。

年収300万円で無事に住宅ローンの審査を通過するために、できることは何でしょうか?3つのポイントを考えました。

(1) 配偶者と収入を合算する

住宅ローンは、夫婦の二人の年収が合算した額で審査を受けることができます。また、収入を合算してローンを申し込むのではなく、夫婦が1人ずつ住宅ローンを組む「ペアローン」という方法もあります。いずれにせよ、夫婦の収入を合算することで審査に通りやすくなるだけでなく、より多くの金額を借り入れることができます。

とはいえ、借入れ額が増えると返済の負担も増えます。無理な返済計画は避け、現実的なライフスタイルを持続できる計画を立てることが重要です。

(2) 頭金を多めに用意する※ムリは禁物!

年収300万円の方が住宅ローンを組む際、注目すべきことが「頭金」です。頭金とは物件購入時に自己負担する金額のことで、多く用意できればローンの金額を抑えることができます。例えば住宅取得に要する総額が2000万円の場合、頭金が500万円あれば借りるローンは1500万円となります。

しかし、「頭金を多めに!」とはいっても無理は禁物。あくまで自己負担できる範囲内で適切な頭金を設定しましょう。余裕資金を全て頭金に回すと、住宅ローン以外の生活費や急な出費に対応できなくなる恐れがあります。予め計画的に貯蓄をして、無理のない範囲で頭金を確保することが大切です。自己資金で頭金を用意するだけでなく、両親に頭金をお願いすることも検討してみましょう。

(3) フラット35を利用する

フラット35とは、国が推奨する固定金利の住宅ローン制度です。年収300万円の方が住宅ローンを考える際には、特に注目すべき選択肢の一つです。

フラット35の特徴は、最長35年間金利が変わらない「全期間固定金利型」の住宅ローンだという点にあります。これにより、将来的な金利上昇リスクから身を守りながら、安定した返済計画を立てることが可能となります。

また、フラット35はエコジョーズや省エネルギー対策等の一定の条件を満たす住宅に対しては、さらに金利が低く設定されます。これにより、返済負担を抑えつつ、環境に配慮した住宅購入が可能となります。また、フラット35は民間の住宅ローンよりも、審査に通りやすいと言われています。

ただし、フラット35は他の住宅ローンよりも金利が高めです。2023年9月時点におけるフラット35の住宅ローンの金利は1.8%(返済期間:21〜35年)ですが、民間の住宅ローンは金利が0.3%台の商品も少なくありません。

ちなみに、民間の住宅ローンは変動金利の商品が多く、借入期間中に金利が上昇するリスクもあります。それぞれの商品の長所・短所を比較して、また住宅会社の担当者にも相談しながら、どのタイプの住宅ローンに申し込むか十分に吟味しましょう。

6. 住宅ローン返済を上手に乗り切る方法

住宅ローンを借りる際は、さまざまな方法で住宅ローン返済の経済的・心理的負担を軽減できます。以下に主な方法をまとめました。

(1)さまざまな支援制度を活用しよう

住宅ローンの負担を軽減する方法として、国や自治体が提供する補助金や助成金の活用も挙げられます。

  • 省エネ住宅に対する補助金

  • 解体費用の助成金

  • 木造住宅の耐震建て替えの補助金

  • 同居・子育て支援補助金

  • 地産木材を使用した家への補助金制度

  • 移住で家を建てる場合の補助金

他にも、住宅ローン債務者を対象として減税措置などが存在します。これらの制度はその時々で補助を受けられなかったり、補助を受けられる条件が変わったりする点に注意が必要です。ご自身で調べつつ、住宅会社の担当者にも確認を取りながら、最大限の補助が得られるようにしましょう。

(2) 想定外の出費やライフイベントに備えよう

人生には予想外の出来事がつきものです。結婚や子供の出産、転職といった大きなライフイベントは、予想外の支出や収入の減少を招くことがあります。そのため、これらのイベントを計画的に考慮し、ローン返済計画に反映させることが重要です。

ライフイベントで想定される大きな出費は、結婚や出産です。また、自動車の購入や子どもの進学にも大きな費用が必要となるでしょう。これらの出費を予め想定しつつ、普段の家計をコントロールしていきましょう。

7. まとめ:年収300万円の住宅ローン借り入れは「ムリをしない」が大前提

冒頭でも紹介した通り、年収300万円の方でも住宅ローンを借り入れることは可能です。とはいえ、借り入れ可能な金額は限定されているということも、忘れないようにしましょう。大事なことは、家計を圧迫しない&ムリのない範囲で住宅ローンを借りるということです。

そのことを踏まえた上で、住宅取得後の返済負担を減らすために、今回紹介したポイントをぜひ活用してみてください。

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