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OWCモノローグ)僕の叔父さん by笠羽流雨
人生初の高級フレンチのメニューは全然覚えていない。確か、ものすごく生っぽい肉があった。フカヒレのスープもあったらしいけど、それは後になって母に聞いた話だ。その時の僕はフカヒレどころじゃなかった。都会の超高層ビルの最上階で僕の目の前に座ったのは、初めて会う叔父さんだった。
これは小学校に入学してすぐの頃の話だ。
まず、僕はその叔父さんについて述べておきたい。叔父さんはかつて警察官を目指し、しか
OWCモノローグ)教室のそとの世界 by笠羽流雨
【注意】
男性・女性どちらでも可。
一人称は「僕」または「私」でお読みください。
三十分間連続して座り続けることができない子どもだった。
しかも、劣等生の僕には小学校の授業はあまりにも退屈だった。先生が言っていることはまるで意味不明だった。
教室にいても、教室の外のことをいつも考えていた。
僕は理科のノートに夢で見た愉快な生き物の絵を描いたり、プリントを丸めて窓の外を覗いたりした。窓の外
OWCモノローグ)学校嫌いのためのモノローグ by 笠羽流雨
〇シーン1 問診
「今でも時々夢を……」
「はい、学校は、いつも賑やかで、こ、孤独です」
「いいえ。その中に私の好きな人間もちらほら……。でも、彼らが集団になると……駄目なんです。チームワーク? け、け、結束力?」
「はい、皆一緒、という、その中で、誰もが異物を排除しようとして……私はもう……お、お、嘔吐感が……」
「すみません…………」
「もう大丈夫です。すみません。喋るのは、あまり