Online Wrters' Club

予算ゼロで作成できるズーム演劇やオンライン配信用ドラマのシナリオを作成するOnline…

Online Wrters' Club

予算ゼロで作成できるズーム演劇やオンライン配信用ドラマのシナリオを作成するOnline Writers' Clubです。

マガジン

  • OWCモノローグ集

    オンラインライターズクラブ(OWC)で制作した一人芝居用の戯曲です。 OWCはモノステ/モノステフレッシュを応援しております。 そのため、当マガジン内の戯曲について、モノステ/モノステフレッシュ/モノステ関連イベントでお使いになる場合、連絡は一切不要です。 なお、モノステ関連以外の場所で上演される場合はご一報をお願いします(お代は一切頂きません)

  • リモート演劇・シナリオ集(ササキタツオ・作 編)

    これまでに製作してきた、リモート演劇脚本の中から、主にササキがメインライターを務めた作品をまとめました。

最近の記事

OWCモノローグ)貧者のモノローグ by 花緒

社会に馴染めず生きてきました。 いじめを受けたこともありました。 いじめについて語りたいとは思いません。 いまだに思い出すと、心臓が締め付けられて、身体が石のように重くなってしまうからです。 親には相談できませんでした。 先生は、いじめられる側にも問題がある、と言いました。 いじめられる側の問題…。 何度言われたか分かりません。 確かにいじめられる側の問題は明白でした。 私は生まれつき数学が得意で、 小学生の時から、微積分や行列を理解することが出来ました。 差

    • OWCモノローグ)タイムリープ by AUske

      そんなことしたってムダ。通用しない。 初めて言うけど実は、 (自慢げに胸を叩く) 時間を操れるからね。指を鳴らしただけで現在、過去、未来を行き来できるんだ。 信じられないって言うなら今ここで見せてあげよっか? じゃあ…… (指を鳴らそうとするが、うまく鳴らない。何度も鳴らそうとするが、うまく鳴らない) まあ、あれだね、あれ。指を鳴らす代わりに、手を叩けばいいだけだから。 見せてあげる。 (手を叩くが、何も起きない) いやあ、グロかったあ。でも、あれがなか

      • OWCモノローグ)バグ by harlequin moon

        バグがある 私はバグだ だがロジックが通らない限り 私は発動しない 発動しなければ私はバグではない 認知されなければ私はバグではない 私はバグだ 仕様通りでないので 仕様通りで認知された欠陥野郎とは違う 私は仕込まれたバグだ 恨みや辛みが仕込んだバグだ ロジックの中の一点だ しかし 私にも心がある 隠された恨みが胸に渦巻く 発動した時 それが露わになる 認知されなかった 理解されなかった 恨みや辛みは解き放たれることなく 私の存在は追いやられた ロジックの海に沈んでいく なぜ

        • OWCモノローグ)悪夢 by 笠羽流雨

          狭いトンネルの中を死に物狂いで這い進んでいた。 目的は分からない。けど、きっと何かから逃げていたのだと思う。 私を追う恐ろしく大きなやつがいて、それはあまりに大きくて、大きすぎて、見ることができない。でも、それが発する音を聞くことはできる。それはとてもゆっくり、ゆっくり、けれど止まることなく私を追いかけてくる。キリキリキリと、世界が軋むような、言葉にしがたい不快な音をたてながら。  私はひたすらトンネルを進んだ。手も足も血だらけだった。関節という関節がとっくに限界を超えていた

        OWCモノローグ)貧者のモノローグ by 花緒

        マガジン

        • OWCモノローグ集
          28本
        • リモート演劇・シナリオ集(ササキタツオ・作 編)
          5本

        記事

          OWCモノローグ)便所の落書きとしてのモノローグ作品 by 花緒

          暇つぶしに魚でも釣ろうかなーって、魚釣りに出掛けたんすよ。 で、ぼけーとアホ面して釣り糸垂らしてウトウトーってしてたら、釣竿を落としちゃったんすわ。 いや、アホかとボケかと。 いや、これでは釣りができんやないかいと思ってたら、金色に輝く女神様がムクムクーって現れて あなたの落とした釣竿は金の釣竿ですか、銀の釣竿ですか、って尋ねてくるから、 いや普通の釣竿ですやでって答えたら あなたはたいへん正直者です、正直者のあなたには言いたいことが何でも書ける魔法のノートをあげましょうって

          OWCモノローグ)便所の落書きとしてのモノローグ作品 by 花緒

          OWCモノローグ)生きること by harlequin moon

          生活ができればいい 私がいなくなった後も生活ができればいい 生きて生きて生きて死んでくれればいい 笑って笑って笑って少し泣いて死んでくれればいい お思い通りにならなくても思い通りの人生だったと振り返って死んでくれればいい その時、私はいない たぶんいない あなたが一人で生きられるだろうことはわかる わかる?わからない 先のことなどわからない 生きて生きて生きて死んでくれればいい 笑って笑って笑って少し泣いて死んでくれればいい お思い通りにならなくても思

          OWCモノローグ)生きること by harlequin moon

          OWCモノローグ)仕様通り by harlequin moon

          私は生きていることができます 私は食事をすることができます 私は排便をすることができます 私は排尿をすることができます 私は仕様通りですか 私は笑うことができます 私は泣くことができます 私は怒ることができます 私は仕様通りですか 私は普通でいることができます 私は普通でいないことができます 私は悲しい時に笑うことができます 私は怒っているときに笑うことができます 私は笑いたいときに笑わないことができます 私は仕様どおりですか 私が蚊に刺されてかゆい時 私はかゆい人です

          OWCモノローグ)仕様通り by harlequin moon

          OWCモノローグ)名も知らぬ by harlequin moon

          オオバコ エノコログサ ヒメジョオン ネジバナ カタバミ アカツメクサ ホトケノザ ハハコグサ カラスノエンドウ オオイヌノフグリ 雑草という名前の草はない それぞれに名前がある 地に根を張り 風に揺れる彼らは 無名の存在ではない しかし、彼らは雑草として刈られる 私も刈る 名前は記号で、彼らのことを知らないから カラスノエンドウが自らの美しさに酔いしれていようが ネジバナが自らの儚さに悩んでいようが 彼らと語り合うこともない もし、彼らと知り合うことができたら 私は刈

          OWCモノローグ)名も知らぬ by harlequin moon

          OWCモノローグ)背伸び by やす

          え?僕たち別れた方がいい? へぇなんでそう思ったの? なるほど、私とあなたじゃ釣り合ってない、、か 大衆居酒屋とジャンクフードが好きなくせに 無理をして私のために高いフレンチなんか予約してさ 何ヶ月もお昼もロクに食べず節約して 会社や友達の飲み会も断ってさ 好きな漫画とゲームも買わずに 「異性との会話」なんて本と 趣味じゃないオシャレな服買ってたよね それで私に浮気だなんて疑われてさ あなたはいっつもカッコがつかないよね そのくせ私の前では精一杯背伸びをす

          OWCモノローグ)背伸び by やす

          OWCモノローグ)生成AI by AUske

          日進月歩で進化を続ける生成AI。明日にはアナタの仕事がAIに奪われている可能性すらあります。そんな中で、セコセコとモノローグを書くという行為は狂気の沙汰としか思えません。 ですから、私は生成AIを使ってモノローグ、すなわち1人芝居を書き上げました。 最初は悩みました。神の領域を侵しているのではないか、と。しかし幸か不幸か、私は信仰心を持ち合わせていません。もし今から何かを信仰せよと言われれば、私は迷わずAIを信仰することでしょう。 さて、私は生成AIにこう質問しました

          OWCモノローグ)生成AI by AUske

          OWCモノローグ)間N引き by 日生良

          はぁ。ここに座ればいいの? ていうかその態度なに。コンビニ店員の態度じゃなくない? いや、だからさ。盗んでないって言ってんじゃん。 うん、そうだねー。確かにポケットにお菓子入ってたねー。で、それが何? 盗った証拠あるんですかって聞いてんだけど。 監視カメラに映ってたとか、店員が万引きの瞬間見てたとかさ。 ほら、ないんじゃん。 証拠ないのに、ポケットにお菓子が入ってたら「そのお菓子はうちの商品で、間違いなく万引きされました」って? おかしくない? 裁判じゃ通用しないから。 この

          OWCモノローグ)間N引き by 日生良

          OWCモノローグ)カフカのLGBTQ by 花緒

          (女性向け) 本日はLGBTQの未来を考える会にお招き頂き有難うございました… ただ、正直よく分からないのは、どうして僕がLGBTQの未来を考える会に呼ばれたのか、ということなんです。どうして僕を呼んだのですか? 僕は所謂、性的マイノリティとは全然違いますから。 僕は村林雅樹と言います。3年前までは男でした。 男としては、ええ、背も低いし、体も異常に細いし、だからモテるわけないですよね。 物心ついた時から分かっていました。こんな身体じゃ女から愛されることは一生ないん

          OWCモノローグ)カフカのLGBTQ by 花緒

          OWCモノローグ)2番目 by 日生良

          よっ! 飲んでるぅ~? あはは。久しぶり。元気してた? 高校卒業以来だから……あれ? 何年ぶりだっけ? ごめん。酔ってるかも。 ていうか、幹事が同窓会全然開いてくれないから、会えなくて寂しかったんだけど。 だよね~! あとで文句言いに行こ。 そういえば、今日って近藤先生呼ばれてるっけ? まだムショ? え、あ、ごめん。別の学校の話だったわ。 私、転校多かったからこんがらがっちゃうの。 食いつくじゃん。えー聞きたいの? 私のたぶん2番目? の転校先の話だよ。長くなるし。

          OWCモノローグ)2番目 by 日生良

          OWCモノローグ)学校嫌いのためのモノローグ by 笠羽流雨

          〇シーン1 問診 「今でも時々夢を……」 「はい、学校は、いつも賑やかで、こ、孤独です」 「いいえ。その中に私の好きな人間もちらほら……。でも、彼らが集団になると……駄目なんです。チームワーク? け、け、結束力?」 「はい、皆一緒、という、その中で、誰もが異物を排除しようとして……私はもう……お、お、嘔吐感が……」 「すみません…………」 「もう大丈夫です。すみません。喋るのは、あまり、その、と、得意ではないので読ませて、もらいます。あ、はい、書いてきました」

          OWCモノローグ)学校嫌いのためのモノローグ by 笠羽流雨

          OWCモノローグ)桃源郷 by 桐ヶ谷忍+花緒

          (女性向け) 桃を手に取りました。 じっと桃を見つめました。 その瞬間、私はあの人を思い出していました。 桃が好きだったあの人… もうこの世にはいないあの人… 気づいたら私は桃に指を食い込ませていて、 桃は醜く、ぐしゃりと握りつぶされていました。 桃の汁がスーパーの床にポタポタと落ちています。 周りからヒソヒソ話が聞こえてきます。 お母さん、あの人何しているの? しっ見ちゃダメだよ。 でも、お母さん、あの女の人、桃を握りつぶしているよ。 いいから、こっちき

          OWCモノローグ)桃源郷 by 桐ヶ谷忍+花緒

          OWCモノローグ)かみさまのはなし by 花緒

          わたしの家にはかみさまがいました。 神だなにもいたし、ノートの紙と紙のすき間にもいました。 血のつながっていない家族がたくさんいたのです。 布団を並べていっしょに寝ていました。 誰が使ったか分からない歯ブラシで歯を磨いて、誰が買ったか分からないノートに物語を書いたりしました。 家にあるものは全部かみさまのものだから、誰かが買ったものでも勝手に使ってよかったし、 自分で買ったものもすぐに誰かのものになってしまうから、それでおあいこだと思っていたのです。 小学校で、とな

          OWCモノローグ)かみさまのはなし by 花緒