OWCモノローグ)棒状の物との浮気 by AUske 原案:鳥海真奈美

○寝室(昼)
   ムスッとしている鳥海真奈美。
鳥海「うるさいな!」
   とギターを奪い取る。
鳥海「ずーっと話しかけてるのに、ずーっと無視してさ、何なの? ようするにアンタは私よりギターの方が大切だって言いたいわけでしょ? 私と話したり私と食事したり、私とネットフリックス見たり私と散歩したり、そんなことよりもギターを弾く方がいいってわけでしょ? 言っとくけど、それって浮気と変わらないから。ううん、むしろ浮気だから、浮気そのものだから。知ってる? 浮気ってどうやってチャラにするか、どうやってプラスマイナスゼロにするか、どうやって無かったことにするか知ってる? ああ、やめて、やめて、やめて。謝罪なんていらない。謝罪されて手に入る物って何ひとつないから。謝罪じゃ何も変わらないから。ねえ、浮気ってどうやってチャラにするか、どうやってプラスマイナスゼロにするか、どうやって無かったことにするか知ってる? ああ、やめて、やめて、やめて。浮気したアンタに話す権利ないから。アンタはバカだから孔子とか老子とか孟子とか知らないと思うけど、とにかく、『怨みに報いるに徳を以てす』って言った人がいるんだわ。どういう意味か分かるわけないよね、だってバカだもんね。どういう意味かって言うと、ムカつく奴が相手でも、人間力満載でコミュニケートしようって意味なんだわ。でもさ、その考えって浮気には通用しないと思ってんだわ。浮気はね、浮気をもって浮気に報いるわけ。アンタに浮気された私が浮気をやり返して初めて、アンタの浮気がチャラになるわけだ。アンタがワン浮気したら私もワン浮気。ツー浮気したらツー浮気。てなわけで、アンタがギターと浮気したから、私は大好きなバナナと浮気する」
   とギターを置いて、バナナに持ち変える。
※ここから下ネタに入るので気分 を害されてしまうような方は、読まないでください。
鳥海「バナナ。つまり棒状の物。棒状の物の皮をまずは、いちまーい」
   とバナナの皮を剥く。
鳥海「棒状の物の皮を、にまーい」
   とバナナの皮を剥く。
鳥海「棒状の物の皮を、さんまーい。アンタずいぶん皮かぶってるじゃなーい。伸び切ってるじゃなーい。まあいいや、棒状の物の皮を、さんまーい、よんまーい」
   とバナナの皮を剥く。
鳥海「あらあら、反り立つ棒状の物が現れたねえ。この反り立つ棒状の物をまずはペロッと……」
   とバナナをペロッと舐める。
鳥海「あら、思ってたより硬いじゃなーい。今度はくわえて……」
   とバナナを齧って、ペッと吐き捨てる。
鳥海「今度、私をないがしろにしてギターにうつつをぬかしてみな。これがアンタの未来になるから」
 
 


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