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コロナ対応の記憶「人材タイプC」定義の必要性

人事部人事企画的な観点から見ると、コロナ対応は、以下3点に集約されるのではないだろうか。

① リーマンショック以来といわれる厳しい業績悪化への対応
② 働き方改革推進加速(業務オンライン化、テレワーク体制整備)
③ 組織、コミュニケーションのバーチャル化による、人材マネジメント変容への対応

①については、要員計画見直し、人件費管理強化、最悪の場合の雇用調整、といった過去の経験を頼りに、既にあるスキルを頼りに対応していける。

②については、働き方改革としてこれまで進めてきたことの延長線上にある。企業により状況は異なるが、現在の状況がやや追い風になっている面もある。

まだ正体が見えないのが③ではないか。テレワーク実施状況には、業種・職種により偏りがあり、会社間、社内職種間で、社員の働き方へのコロナ影響にはばらつきがある。

これを前提に、考えていく。

クライアントから聞こえてくる悩みは、具体的にはいろいろあるが、まとめると、以下2点ではないかと思う。

・コロナ前からあった問題が、より表面化している(例:元々マネジメントやリーダーシップの問題を抱えていた企業では、会社業績悪化への不安から一層空気が悪化している、会社への帰属意識は業務バーチャル化でさらに希薄化している)
・コロナ前からあった人材の“差”が一層拡大するという問題が起きつつある(例:リモートワークのためのPCが足りないと上司に評価されている人しか割り当ててもらえない、流動的で難しい状況でも自分で考えて仕事できる人に仕事が集中する、結果として能力・経験にもっと差がつく)

現在のような先行きの見えない状況では、“Name it to tame it”というスタンスで、起こっていることに名前をつけることが、問題を課題化し解決することにつながる。こうした問題を「『人材タイプC』問題」とラベリングして、一旦既存の問題から社員の目を逸らし、実は問題を正面から解決にいってはどうかと提案したい。

以下、個人的に提案。勿論、いろんな意味での自戒をこめて。

人事評価や、これまでにもあった会社として求める人材像から、コロナ対応部分を切り取って、「人材タイプC」と定義して、これを社員に発信いただき、それを軸にコミュニケーションを取っていただければ、マネジメントもメンバーも、仕事をしやすくなるのではないかと考えている。

どの会社も、対外的には、まだ、業務の緊急対応や勤務体制等を発信することが最優先になっている。しかし、社員が見たいのは、戦略的に会社としてWITHコロナ、ポストコロナにどう対応していくか。そしてこれをさらに対内的には行動指針レベルに落とし込む(これを「人材タイプC」定義としたい)ことで、防げる問題があるのではないか。よりよくなるものもあるのではないか。

そして、何よりも、これがコロナ対応の中で貴社に新しく生まれたリソースを、未来の変化によりよく対応するためのDNAを貴社に残していくことにつながる。

「人材タイプC」定義は、現在、状況がこれだけ流動的なのである程度内容が変わっていってもよいのではないか。現時点で、うまくコロナ対応を進めている社員の行動を記述してもよい。社員間のコラボレーション的な作り方をして成長させていければよりよいのでは。これでポジティブな結果が出れば、良き変化としてポストコロナに残していけばよい。

「人材タイプC」定義は、 良い悪い、優秀かそうでないか、ではないところから社員にコロナ対応を契機とした行動変容を求める。

下表が、定義イメージ。「人材タイプC」のCはcuriousから。困難な状況に前向きに立ち向かう行動特性をとらえたい。Nはnormal、neutralから。タイプCでない人材をあえて劣った人材と位置付けないようにしたい。



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