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旅する日本語 第10語 「生ひ優る方向音痴」
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旅する日本語 第10語 「生ひ優る方向音痴」

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私は方向音痴だ。

若い時から、方向音痴のエピソードには枚挙に暇がない。しかも、歳を重ねるほどにグレードアップしている。

大学受験の時の話。

すべり止めで受ける大学に下見に行った。印刷した地図を頼りに進むが、行けども行けどもたどり着かない。仕方なく諦めて駅に戻ると、大学への道案内の看板が自分が進んだ道の反対側に出ていた。

5年以上前、新宿駅で友達と待ち合わせした時の話。

西口にいた私。南口で待ち合わせとなり、案内板を見ながら向かうが、たどり着けない。案内図を見て、スマホで地図を見ながら、あっち行っては戻り、そっち行っては戻り、小一時間、新宿駅を徘徊し、なんとかたどり着いた。新宿駅はリアル巨大迷路だ。

そして数年前、夜スーパーから家に自転車で帰ろうとした時の話である。

いつもは遠回りでも大通り沿いを走るのに、その日は早く帰りたくて裏道を走った。しかし普段夫の後をついて歩くだけなので、あまり道を覚えていなかった。

なんとなくの記憶で道を何回か曲がり、家についてもいいはずの頃合い、私は自分の居場所がわからなくなった。スマホで現在地を調べるが、どっちに進んだら家に帰れるかさっぱりわからない。

パニックになり、さらに走る。戻ればいいのに進み続ける。どこか大通りに出ればわかるかもしれない。走って走って、どこにもたどり着けなくて、私は夫に半泣きで電話した。

「道に迷った、今どこにいるかわからない」

大の大人が、家の近所で迷子である。夜道だし、住宅街には目印があまりない。とにかく走った。走って、走って、急に大通りに出た。出た場所は、スタート地点のスーパーの前の大通りだった。

何故だ。

どういうルートを辿ってスタート地点に戻ったのか、もはや意味がわからなかったが、その後は大通り沿いを走り、家に帰った。

方向音痴の人は地図を回す

というわけで、方向音痴あるあるを並べてみた。

①地図、スマホを回しながら見る
②曲がる場所を店で覚えているため、店がなくなったり、店が変わったりするとわからなくなる
③一度店に入り、出ると自分かどちらから来たかわからなくなる
④線路はまっすぐに進んでいると錯覚している
⑤道を間違えたときに、来た道を戻る発想がない
⑥わからないのに、人に聞けない
⑦同じ道でも行きと帰りで見える景色が違うため、同じ道だと気づくのが遅い
⑧俯瞰して地図を見ればよいと言われても、その感覚がさっぱりイメージできない
⑨基本、一度覚えた道以外は通らない
⑩時間がかかっても、なるべく大通りを通る

1人でお出かけ

そして昨日、久しぶりに1人で出かけた。最近はたいてい夫と一緒で、道案内はお任せだった。その場所は、前に夫と行ったことはあるがいつも夫についていくだけなので、全く道を覚えていなかった。

まずは駅構内で出るべき改札口を探す。しかし、駅の案内板を辿るも途中で行き先を見失う。スマホの地図を回しながら構内をぐるぐる回るが、わからない。結局、その駅は3階構造になっていて、行きたい改札に行くには階段を使い、他の路線のコンコースを通る必要があったのだ。方向音痴は高低差にも弱い。

なんとか改札口についても、駅からどっちに向かえばいいか、すぐに判断できない。スマホの地図を見て、今自分がいる周辺の目印を2、3箇所探して、地図で現在地と、目的地の方向を確認してようやく歩き出す。その後も、道を曲がる度にスマホを回しながら、目的地に向かう。なんとかギリギリ約束の時間にたどり着けた。

方向音痴は治せるか

神様にどんな願いでも叶えてもらえるとしたら、上位にランクインするくらいには、方向音痴じゃなくしてください!と思ったりもする。

まあでも、迷うのもいいじゃない、最近は開き直っている。迷ったから見つかる景色もある。旅先では、迷うことが新しい発見のきっかけになり、思わぬ出会いにつながることもある。

そして迷ったから、こうして書ける文章もあるのだ。

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