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生まれた街のあの白さをあなたにも見せたい

「生まれた街のあの白さを、あなたにも見せたい」

GLAYの代表作「Winter,again」に出てくる歌詞。

このフレーズが指すであろう街で生まれ育った私が、雪のない冬を越して2年。この街を離れてからはもう7年が経つ。

住んでいた時は何もないと思っていたけど、大人になって思うと、心豊かな暮らしを営むには十分だったと思う。

この街の好きなところは、離れてからわかってきた。

古くから外国に開かれ、港町として栄えた歴史がある。そこには今でも、旧領事館や外国人墓地、外国人の邸宅が残っている。

そこに暮らす日本人は、常に新しい人や文化を受け入れてきた。だからこそ、「他人」に抵抗がなく、興味もないのだ。と、個人的に思っている。

私が好きな小説、筒井ともみさんの「食べる女」にも、この街が登場する。

そこでは、この街を「そんな街を吹きぬける風にはサラサラとした距離感のようなものがあって、その感触が私を和ませる」と表現している。

実際には街が狭すぎて、小学校の同級生が高校の同級生と付き合っていたり、友達の母が親のお客さんだったり。そんなエピソードも少なくないのだけれど……

海風が吹いてどこからでも山が見える。車が無ければどこにも行けないけど、いつでも帰りたい街。

#この街がすき

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