ティアムーン帝国物語が良い

今期見ているアニメ作品数は通常クールより多くて、この作品も実は予定に無かったのですが観たら面白かったので感想ログを残しておきます。正式なタイトルは「ティアムーン帝国物語〜断頭台から始まる、姫の転生逆転物語〜」です。主人公の姫様が俗物なのでとてもわかりやすいです。アインズ様要素が多めで周りが勘違いして、有能とされてしまう系です。本人は英知のかけらも無いし、高邁な思想も持ち合わせていない点が良いです。そんな本人も努力はしているのですが、努力以上の結果が出てしまい、祭り上げられてしまうのが笑えるポイントなので、そういった運や偶然が許せない人には向かない作品です。

ほぼ全てのキャラクターに深みが無いので、それがかえって良かった点です。力まず楽しめる作品も世の中には必要です。高カロリーな作画に重いストーリーばかりだと、楽しむ為に観ているアニメで疲れてしまいます。癒しとは縁遠い作品も多い中、単純に楽しい作品はそれだけで価値があります。

それにしてもこの主人公、本当に運だけなんですよね。それが逆に現実の投影に思えます。成功した人はもちろん、失敗した人も「努力」はしてます。努力が報われる人と報われなかった人の差は何なのか?それが運なのでしょう。愛される人と愛されない人の差、滑り込めた人と弾き出された人の差、アニメに負けず劣らず現実も運の要素マシマシなのです。今の成功も失敗も運の要素で明日には変わってしまう。それ故に努力はし続けなければなりません。努力し続ける事が苦しいなら、それは「ちゃんと生きている」証拠です。ただ生きているのではない。「ちゃんと生きている」事の証拠。努力は死ぬまで続けなければならないのです。苦しくても、生きるとはそういう事です。

悪役令嬢物は「はめフラ」の完成度が高すぎて他は見劣りする作品が多数なのに、この作品は過剰なアインズ様要素で上手に構成されています。エンタメとして力を抜いて観られる良作であります。

では、また別の記事でお会いしましょう。

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