メンタルヘルスを保つ5か条 ①
スティーヴ・ジョブズの格言は当てにならない
”独断に囚われてはいけません。それは、他人の思考の結果とともに生きることだからです。他人の意見というノイズに、自分の内なる声をかき消させてはいけません。そして、最も大事なことですが、自分の心と直感に従う勇気を持って下さい。心や直感は、どういうわけか自分の本当になりたいものを既に知っているのです。他のすべてのことは、取るに足りません。”
有名なスタンフォード大学でのスピーチ。
なるほど、そうだったのかと感じるが、要注意。
① 心の声に従ってはいけない
= 自分の心の声は一種類ではない
自分の中に他者が住んでいると言えるほど、自己は複数に分かれていて、自分と自分自身が対話する所がある。
= ”他者に見られる自分” も自分の重要な構成要素
他人の意見=ノイズではなく、他者の想像力や声から学ぼうとする努力は、自分の多声性を作る契機となる。自分という庭は、植物や樹木が多様な方が豊かになるが、単一の植物を育てる場所ではない。
“Don’t Think, Feel!” ブルース・リー
頭で考えた「自分はこうあるべき」という単一の価値観ではなく、「ネガティブ・ケイパビリティ」という、事実や理由を性急に求めず、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいられる能力を通して、自分自身の直観で感じた、ワクワクするする生き方を求めていけばいい。
② 本当にやりたいことは常に変化する
”人間が言う「本当にやりたいこと」なんて、今の自分がたまたま、一時的に、それが一番いい状態だと勘違いしている幻想でしかない。”
本当にやりたいことは、たった一つの真実としてどこかに必ず定まることはなく、時間や経験による自分の変化に伴って、知識や想像できる範囲が広がって、「本当にやりたいこと」は、人生の時期によって変化していくもの。
ハイテンションと多忙で退屈から逃れたい?
= いたずらな活動で、退屈や不安から気を逸らしている。
”人間の不幸は、みなただ一つのこと、部屋の中で静かに休んでいられないことから起こる” パスカル
精神疾患は個人の問題で、個人を投薬やカウンセリングで変えれば、うつや適応障害は何とかなるのだから、社会環境の側を変える必要はない?
= 企業の関心事は、被雇用者がどれだけストレスに耐えられるかであって、耐えられないと判断すれば、過労死される前に解雇すれば済む話なのだ。
(そう、代わりはいくらでもいる)
絶えざる成長を求めること = 鬱病の原因
ポストフォーディズム = 柔軟な適応性
絶えず変化する見通しの悪い状況で、常に新しく学び、新しい仲間と協調しながら、新しい成果を出し続けていくことが求められる。いつまでも学び続け、いつまでも変化に適応し、いつまでも成長し続ける人材が求められる。
”組織から組織へ、役割から役割へと所属を変えながら、定期的に再学習することが求められる社会”
こういう社会経済的条件下では、安定性・将来の見通しといった、長期的視野が失われる…
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