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BTS生みの親・パンPDが残酷なルールに込めた「次世代のグローバルアーティスト」へのメッセージ。

BTSの生みの親・パン・シヒョクPDが手掛けるオーディション番組が昨晩最終回を迎えた。

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この企画はBTSやTXTが所属するBigHit Entertainmentと大ヒットオーディション番組・Produce101を世に出したCJ ENMの共同プロジェクトで、生き残ったメンバーは合同会社BELIFTからデビューが決まる。

従来のオーディション番組と違って大きな2つの特徴があった。私にとってこのシステムは、今やワールドスターとなったBTSを間近で見てきたプロデューサー陣からのメッセージのように感じた。

ILANDの特徴
①メンバー同士で脱落者を決める残酷なルール
②トレーナ不在の中でステージを作る状況

前代未聞の残酷すぎるルールに込められた思いとは

サバイバルオーディション番組であるから、毎回メンバーが脱落していく。part1では、ミッションの個人点数の平均点によって脱落する人数が決まり、さらに脱落するメンバーを練習生自身が投票し、多数決によって脱落者が決められる

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平均点によって脱落する人数が決まってしまうため、自分だけが頑張れば良いという問題ではない。全体の底上げをするためにうまくいかない人がいれば手助けをし、チームワークが求められるような振り付けについては話し合いをして進めていく。そして、ステージの個人点は公表されないため、チームメンバーから「一緒にやりたい」と思われないと、いくら実力があっても投票によって脱落してしまうことが起こる。

与えられたのはタブレットの映像だけ。トレーナー不在で進める練習とは

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指導者がいないため、彼らはタブレットにある映像を見ながら振り入れをし、練習していく。誰がリーダーをやるか、誰がどのパートをやるかどうやって練習を進めるかということも彼ら自身が話し合いで決めていく。先に述べたように平均点をあげることが重要であるため、「俺はこれがやりたい!」というより、お互いの適性を見ながら誰がどのパートを担うことがベストか、という話し合いをしなければならない

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パート変更はいつでもできるため、適性を見ながらパートを変更することもあった。最初は個々の意見がぶつかることはありつつも、だんだん「いいステージを作る為に」という基準で意思決定できるようになっていく彼らの内面的な成長には感動した。

なぜこのようなシステムが設けられたのか。プロデューサーの思いとは

タイトルにもあるように、このプロジェクトは次世代のグローバルアーティストを発掘するためのものである。今やワールドスターとなったBTSを間近で見てきたプロデューサー陣がどういう意図でこのようなシステムを設けたのか、私なりに考察する。

BTSがグローバルアーティストとして成功した要因の一つが起因しているのではないか

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BTSを好きな人が彼らを語るときに、1~3言目で必ずと言っていい程「彼らの仲の良さ」「彼らのチームワーク」について言及する。もし周りにARMY(BTSファンの総称)がいたらぜひ尋ねてみて欲しい。

先日新曲「Dynamite」がBillbordで1位を2週連続で獲得した際、BTSのTwitterではこのような投稿がされた。

上下関係の厳しい韓国では珍しく、チームメンバーでありながらまるで家族のような、親友のような関係性が彼らにはある。メンバーの誰かが喧嘩をした時、まずはメンバー全員で話し合いをし、その後当事者のメンバーで話し合いをする。どんな時でも膝を突き合わせてBTSとして成し遂げなければいけない事は何かということをメンバー達自身が率先的に話し合ってきたのだ。私が印象に残っているのは、ステージに上がる前に喧嘩をしてしまったVとJINについて上げられているこの映像。

リーダーのRMがステージに上がる直前の円陣で「マジでBTSとしてやるんだ。VかJINかRMかという話じゃない。」という言葉から、彼らがいつも何を大事にしているかということがわかる。彼らはいつも「BTSとして」何をしなければいけないのかという話をする。

ちなみに、「teamwork makes the dream  work.」という言葉は彼らがデビューショーケースに上がる前の2013年3月20日にも投稿されている。

デビュー前から大切にしてきた彼らの哲学を、次世代のグループにつなげる為にあえてこのような自主性・チームワーク、目的の為に何をしなければいけないのかについて考えさせるためのシステムのように感じた。そしてそれは、デビューしてからも大切にしなければいけない哲学として、プロデューサー陣からのメッセージのようにも感じた。

昨晩ILANDから生まれた「ENHYPEN」というグループ。BTSのDNAを引き継ぎながら、新しいグローバルアーティストの形を作ってほしいと思う。

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