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【京都光華女子大学 高井小織 #03】勇気を出して踏み出した一歩は、あなたを裏切らない。

こんにちは。小野寺です。

このnoteは片耳が聞こえない15才、
中学三年生の君へ贈るメッセージです。

それでは、大学で言語聴覚士を育てている、
高井小織さんの続きをどうぞ!(前回はコチラ


■片耳が聞こえなくて悩んでいる人へのアドバイスはある?


――― 片耳のことですごく悩んでいて、誰にも相談ができない中学生にアドバイスはありますか。


私は中学校で教員をしていた時期が
長かったのでよくわかるのですが、

中学生ぐらいの時期って
聞こえる聞こえないに関わらず

自分のことを客観的に見るのが
大きな大きな課題だと思うんですよね。

ある程度「私ってこんな人」っていうのが
わかればうまく付き合えるんですけど、

そういう自分の認識を深めるためには
「言語力」がポイントになります。

言葉にする力ですね。

もし誰にも言えないなら、日記でも良いし、
裏の暗いデスノートでも良い(笑)

Twitterのつぶやきも
良いかも知れませんね。

そうやって自分のことを記録していくと、
そのしんどいことが過ぎ去ったあと

ふと見返したら
「こんなことで悩んでいたんだ」とか
「あの頃に比べたら成長したかも」って
思えるんです。

そうやって自分のことを
客観的に比較するうえで、
言葉の力って大きいんですね。


――― 自分を客観的に見ることが大事なのですね。


そうですね。

あとは自分と向き合うだけでなく、
「誰と関わるか?」も大事です。

中学生ぐらいになると、親や先生を
あんまり偉い人っていう風には
思わなくなりますよね。

むしろ友だちとか好きな人の方が
重大なことのように思えてきます。

そこでもう一歩踏み込んだとき、
斜め上ぐらいの関係が欲しいですね。

大学生ぐらいの相談しやすい年齢差で
メンターがいると助けになります。

私はよく遊びにきた卒業生を教室に呼んで、
話てもらうようにしていたんですけど、
これがすごく効果的でした。


■片耳のせいにしない方法はある?


――― つらいとき、どうしても耳のせいにしてしまう子にはどんな言葉をかけますか。


そうですね…それは私にも経験があるので、
いまだから言えることなんですけど、

「そうやなー」って言って、
「しんどいよなー」って言って、

その気持ちに寄り添って、待ちます。
時間は必要だと思います。

中学校で教員をしていた頃の話ですが、
中二で片耳難聴になった子がいたんです。

本人はもちろん、お母さんが
ものすごく悩まれていて。

成績が落ちたのも、
部活で結果が良くないのも、
体重が増えたのも、

全部全部「片耳のせいだ」っていう風に
先回りして頭がいっぱいだったんですね。

私も一生懸命、電話でお母さんと話をして、
耳のことでがんじがらめにならないよう

できるだけはぐらかしながら
話をしたんですけど、最後に

「先生それで、この子結婚できますか?」

って言われてしまって
「おっとこの一時間の話どうやったかなー」
って思ったんですけど(笑)

まあ大人でもこういう感じですから、
本人がしんどいときはしんどいんですよね。

その子の性格や環境は人それぞれですけど、
その状態を乗り越えるために
時間が必要な場合はあると思います。


――― 時間をかけるとき、おすすめの過ごし方はありますか。


自分が好きなことに
没頭するのが良いと思います。

たとえば私の場合、本や映画にハマって
人生が何倍も豊かになりました。

私が一番しんどかった中学生の頃は、
ストーリー性が強いヤングアダルト図書や、
読み応えがある本を読んでいたと思います。

いま片耳難聴の本も多少ありますよね。

「蝶の羽ばたき、その先へ」という本は
片耳難聴になった中二の女の子が主人公で、

とても穏やかな文章で書かれていて
中学生でも読みやすいのでおすすめです。


■片耳が聞こえない十五の君へ


――― 最後に片耳難聴で悩んでいる中学生に向けて、メッセージをお願いします。


はい。私が伝えたいのは、

あなたはあなたの、いまのままで
とっても大事なものを持っているし、

いま悩んでいることも含めてあなたなので、
それを大事にして欲しいです。

いまはそう思えなくても、
必ず理解してくれる誰かと出会えるし、

自分が一歩踏み出すことで、
誰かをこっちに引き寄せることもできます。

この最初の一歩っていうのは
めちゃくちゃ勇気もいるし、しんどいし、
特に耳のことを言うのは難しいですよね。

ハードルが高いと感じるのは
よくわかるんだけど、

どこかで「私もそうなんだ」とか、
「私は耳じゃないけど実はココがね」
っていう風につながることがある。

勇気を出して踏み出した一歩は
あなたを裏切らないので、

エネルギーを持って
生きて欲しいなって思います。


(これでインタビューはおしまいです。ありがとうございました!)


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