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【片耳なんちょー キクチ#03】「片耳難聴だけど人よりできた」 を、積み重ねる。

こんにちは。小野寺です。

「片耳なんちょー キクチ」さんの続きです。
どうぞ!(前回のnoteはこちら


■耳のせいにしたことはある?


――― 片耳難聴のせいにして、なにかから逃げた経験はありますか。


んーそうですね…一つ思い出したのが、
学生のときマラソン大会があったんですよ。

それが毎年冬だったんですけど、
体育の時間に練習をするのが嫌で、

「先生、耳が…なんか冷えてダメかもです」
と言ったんですけど、全然通じなくて(笑)


あとで「自分すごいセコいことしたな」
って思って、恥ずかしくなって反省して、
それからは正々堂々サボりました(笑)


――― 正々堂々(笑)では片耳難聴のせいにした経験はほとんどないのですね。


ないと思います。
というのが、耳のせいにするほど
あまり知らなかったんですよね。

自分で調べることもしなかったし、
親もたぶんあまり知らなかったと思います。

「あなたはこういうことができないのよ」
って言われたことがないんです。

だから耳のせいにしてこなかったのは、
知識がなかっただけかも知れません(笑)

あとこれは片耳難聴に限らずの話ですけど、

誰かのせいにしても仕方ないし、
環境のせいにしても仕方ない。

他人は変えられないけど、
自分なら少しは変えられる。

できないならどうやろう、
より良くする方法を探そう。

っていう風に、なにかのせいにせず
じゃあどうしよう、って考えるのは、
社会人になってからも役に立ちますよね。


■家族に相談はしていた?


――― 先ほど親御さんの話が出ましたが、耳のことはよく相談していましたか。


全然、してなかったですね。

親はすごく私のことを心配してくれたし、
愛情もいっぱい注いでくれたんですけど、

母は「どっちの耳が聞こえないんだっけ?」
って聞くぐらい、なんとも思ってない感じで
接してくれていて(笑)

私はそれでイラついたこともなく、
自分が生きやすいように生きるだけでした。


――― 特別扱いしなかったのですね。


もちろんトラブルがあったときは
親身になってくれていたんですけど、
私も見守っていて欲しいタイプでしたから。

小さい頃に耳のお医者さんから、
「普通に育ててください」
って言われたらしいので、
その通りにしてくれたんだと思います。


――― お父さまもそういう感じでしたか。


そういえば父から耳のことで、
「俺が変わってあげたいと思った」
って言われたことありますね。

でもそのとき私、小学生か中学生ですけど、
「あ、全然このままでいいです」
って言ったんですよね(笑)

「これで生きて来たし、
 なんとも思わないよ」って。

そういう発言とか行動をちょくちょく
親の前でしてきたから、あまり干渉せずに
いてくれていたのかも知れないです。


――― そんな風に言えるのは、すごいことですね。


親に気を遣ってとかではなく
本当にそう思っていたんです。

「ほんと、結構です」
みたいな感じで断りました(笑)

私、この特徴が割と好きっていうか、
両耳が難聴になるリスクや不安は
たしかにあるんですけど、

この耳はわかりやすい自分の個性だなって
小学生の頃から感じていたので、

「お父さん、取らないでください」
と思っていました(笑)


――― 小学生の頃から、片耳難聴を個性と思っていたんですか。


おもしろいなーって思っちゃってました。
エンタメを求めすぎてるのかも(笑)

でもたぶん、私の場合は生まれつきだから
って言うのはすごい大きいと思います。

もし途中からだったら
落ち込んでいたと思うので、
生まれつきのおかげで助かりました。


■片耳が聞こえない十五の君へ


――― 最後に、片耳が聞こえない15歳の方にメッセージをお願いします。


私、同じく片耳が聞こえない方から
よく相談をもらうんですけど、思うのが

「片耳が聞こえないからできない」とか、
「どうせ無理だから挑戦しない」とか
そういうのもったいないなーと感じていて。

たとえば接客業を諦める方が多いんですね。
あとインカムを使うバイトができないとか。

私はインカムを使うバイトを
したことがあって、

…まあ性格的に向いてなくて
気が利かない人間だから
辞めちゃったんですけど(笑)


私は、どんどん挑戦していって、
「片耳難聴だけど人よりできた」
っていうのを積み重ねていくと
自分の自信になるし、

いろんな人が自分のことを
好きになってくれるっていうのを
生きていて感じるので、

片耳難聴を敵だと思わず味方だと思って
共存しながら過ごしてほしいな
って言うのは思います。


(これでインタビューはおしまいです。ありがとうございました!)


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