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自分に合った家を、自分に合った方法で。住まいを共につくるための勉強会レポート

どうせ住むなら快適な家がいい。
当たり前だけれど、快適さの基準は人それぞれですし、それを達成するための方法にも様々なアプローチがあります。
自分にぴったりの家を手に入れる方法をどう選べば良いかもわからない、そんな悩みを抱えている方もいらっしゃるでしょうか。
あるいは多くの人にとって、今後どのような住まいで生活していきたいのか、真剣に考える機会すらほとんどないのかもしれません。
そのような人たちに、家づくりについて共に考える場を提供したい。
そんな思いを胸に、建築家との家づくり勉強会を開催する不動産チームがあります。
不動産屋なのに「アーキテクチャー」の名を掲げる、株式会社アラウンドアーキテクチャー(以下、AA)です。
「建築のまわりで、建築をシコウする」をビジョンに掲げるAAの主催する勉強会とはどのようなものなのか。
なにやら面白い建築も見せてもらえるということで、参加させていただいた様子をレポートします!

建築家、五十嵐理人さん(写真下)が設計された住宅で行われた勉強会の様子。吹き抜けの上階では、AAのスタッフさんがコーヒーを淹れてくれる

勉強会はまず、AAの代表である佐竹雄太さんによる家づくりの進め方についてのお話からはじまります。
建築家と家をつくるといっても、まずなにから手を付ければよいのかわからないという方もいることでしょう。
自分の家を持とう、と決めてから、実際に入居するまでのステップを、各段階で判断すべきポイントやその判断材料とともに教えてくれます。
家づくり全体の流れからお金回りのこと、土地・物件選び、さらには建築家選びのポイントまで、具体的な検討項目が示され、このレクチャーを聞くと建築家と家をつくる上で考えるべき点が一通りわかるようになっています。
またそれぞれの検討事項に対して、AAなりの回答が理由とともに提示されました。

アラウンドアーキテクチャー代表の佐竹雄太さん

ここがいわゆる不動産会社が開催する広く網羅的に家づくりのことを知るための相談会と大きく異なる点です。
「自分に合った建築家と家をつくる」ことがより良い暮らしにつながるという前提立つと、その先の選択肢も必然的に最適解が絞られてくるため、あらゆる可能性が提示されて身動きが取れなくなりがちな家づくりらしからぬ爽快感が得られます。
一方でここで語られる内容にあまり納得できず、建築家に依頼する以外の方法が自分には合っていると感じる方もいるかもしれません。
それはそれで、選択肢が絞られるので参加する意味はありそうです。
漠然とした憧れや不安に包まれ、具体的な一歩が踏み出しにくくなりがちな家づくり。
まずは最初の一歩の置き場所を決める、良いきっかけになりそうだなと思いました。

このような勉強会をはじめた動機について、佐竹さんは
「建築家と家をつくるという選択肢が世の中にあるんだ、ということをもっと知ってほしいんです。建築家と家をつくったらどんな暮らしができるか、イメージしてみる、そういう機会をたくさんの方に提供していきたい。そのうえで、やっぱり自分には合わないなと思われる方は、自分に合った方法を選んでもらえればよいなと思っています」
と語ってくれました。
そして、この勉強会には「建築家とつくる家」のイメージをさらに具体的に描くための取り組みが用意されています。

それが、実際に建築家が設計した住宅を見学して、その建築家から直接家づくりについてのお話を聞く、というもの。
建築家が設計した住宅を見る機会なんて、建築業界に携わっていたりしない限りなかなかないですよね。
竣工直後に内覧会が開かれることはありますが、クローズドなものが多いですし、お施主さんに引き渡す前の、まだ家具も入っていない状態であることがほとんどでしょう。
この勉強会では、実際に人が暮らしている状態を見せてもらえる、かつ一定期間住んだうえでの振り返りも含めてお話が聞ける、という点が、得難い貴重な機会となっています。

設計者自ら案内してもらえる建築家住宅ルームツアー

見学会後に続く建築家によるトークでは、これまで設計してきた住宅においてどのようなことを考えていたかが語られます。
ここでもまた、AAの勉強会ならではの特徴が。
一般的な建築家のレクチャーでは、建築”作品”としてそれぞれの建築のデザインについて、なぜそのようなデザインにしたのか、背景にある意図が語られることが多いです。
一方でこの勉強会では、一つひとつの住宅に取り組んだプロジェクトの経験として語る、そのような方向が意識されていたように感じました。
どのようなお施主さんとどのような敷地をどのように選び、お施主さんの要望や様々な課題に対し、どのような解を導き出したのか。
そのプロセスにおいて躓いた点や困難をどのように乗り越えたのかが語られるレクチャーは、聞く人に「もしこの建築家に依頼することになったら、どのような家づくりができるのだろう」と想像させるつくりになっていました。
さらに敷衍すれば、完成した住宅を購入するのではなく建築家と共に家をつくるために、どのような心構えや準備が必要なのかがわかる内容でもあります。
建築家との家づくりに対する期待と不安を、計画に落とし込むための準備運動にもってこいの機会といえそうです。

AAが主催する家づくり勉強会は、今後もその都度招く建築家を変えながら、不定期で継続していくそうです。
建築家が設計する住宅に興味はあるけれど、家づくりにまつわる様々な疑問を誰に聞けばよいかもわからず立ち止まっているという方、いらっしゃったらぜひ覗いてみてください。
次回の勉強会は5月19日(日)、塩入勇生+矢﨑亮大 / アーキディヴィジョンさんの住宅作品「DANCE FLOOR」の見学会とセットで開催されるそうです!
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勉強会では建築に親しんでもらう取り組みも実施中です。AAが運営するコーヒースタンド、アラウンドアーキテクチャーコーヒーが出張して参加者にコーヒーを振る舞ってくれるほか、都内の「だれでも見に行ける」建築を集めたマップも配布中。ぜひチェックしてみてください!

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