【京都】ブリトーと鴨川散歩
先日、夫婦でテレビを見ていたら、ブリトー屋さんが紹介されていた。
「久しぶりにブリトー食べたいな」
つい、口をついて出た。
ブリトーは、思い出の食べ物だ。
留学していた頃出会った、青春の味。
学校のそばのブリトー屋さんに行って、
みんなでお喋りしながらかぶりつく、
そんな時間が宝物だった。
日本にはブリトー屋さんは少なくて、
私の暮らす田舎町ではとても手に入らない。
手に入らないことに慣れて、
ブリトーの存在自体、最近は忘れてしまっていたのだ。
「ブリトー食べに行こう。京都に評判のいいお店があるみたいだ」
スマホを見ながら夫が言う。
夫の検索力と行動力には、いつも感心してしまう。
京都の市街なんて、私にとってはとてもとても遠いところだけれど、夫にとってはなんなくたどり着く場所らしい。
訪れたのは、ケパサ。
京都の路地の一角にこじんまりとした佇まいのお店があった。
アルミホイルに包まれたブリトー。
柔らかなトルティーヤと、レタス、豆、ごはん、チキン、、、
これ、これなの。
そう、そうなの。
この、サラダとご飯とお肉が絶妙に組み合わさって最高に幸せな味覚になる感じ。
異国感のただようスパイス、すさまじい食べ応え。
缶のサイダーがとても合うファストフード感。
めちゃくちゃちゃんとブリトーしてることに感動してしまった。
とても美味しい。
ブリトー、もっと流行って欲しいなあ。
夫は、「正直そんなに美味しいかな?」みたいな顔をしていたけれど、私がとても喜んだので満足そうだった。
帰りは鴨川沿いを歩いて京都駅まで散歩がてら歩く。
繋いだ手の温もりが心地よい。
歩くだけでこんなに楽しいのは、
京都という街のもつ魅力だ。
鴨川には日向ぼっこを楽しむ人たちがあちこちに腰掛けていて、人々の笑顔が眩しかった。
時おり強い風が吹いた。
風が心地よい。
痛みを感じさせる北風は過ぎ去って、
暖かく頬をなでる、春風に変わっていた。
春の訪れは突然だった。
今年はとびきりそう感じた。
帰ったら衣替えしなきゃ。
そんなことを考えながら歩いた。
木の枝に芽吹く新芽や
可愛らしい梅の花を眺める。
季節の移ろいを肌で感じる毎日を
大切にしたいと思った今日。
ロン204.
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