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準同型の計算〈龍孫江の環論道具箱〉

 環を比較するための道具として準同型写像を定義し,単射性を測る指標としてその核を導入しました.今回は過去に扱った環の例(その1その2)を用いて準同型の計算例をご紹介します.

例1.集合$${A := \{ (a,x) \mid a \in \mathbb{Z}, x \in \mathbb{Q} \} }$$は,次の演算により可換環をなす:
・加法 $${ (a,x) + (b,y) = (a+b, x+y) }$$
・乗法 $${ (a,x) \cdot (b,y) = (ab, ay+bx) }$$

https://note.com/ron1827/n/n6fbf01b5f045

行列環$${M_2(\mathbb{Q})}$$の部分集合
$${B := \left\{ \begin{pmatrix} a & x \\ 0 & a \end{pmatrix}~\middle|~a \in \mathbb{Z},~x \in \mathbb{Q} \right\} }$$
は行列の加法・乗法を演算として可換環をなす.

https://note.com/ron1827/n/n7ac5416065a1

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