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「そんなんじゃ年中さんになれないよ」

こんにちは。麦原です。

先日、息子が夜しくしく泣いていました。
「どうしたの?」と聞くと一言。
「…ぼくピンクのバッチもらえないの?」

ピンクのバッチとは、息子の幼稚園の年中さんがつけるバッチのことです。
幼稚園で給食の時間にお友達とおしゃべりしていて
先生に「それじゃあピンクのバッチはあげられないよ。」
と言われたそうです。

う~ん…
年中さんになることをとても楽しみにしている息子にとって、先生のその一言はとても悲しかっただろうなあ。

先生は、息子に「おしゃべりしていると、食べ終わるのが遅くなっちゃうから、食べようね。」と言いたかったんだろうなあ。

息子の気持ちも、先生の意図もよくわかりました。
指導してくださること、ありがたいなとも思いました。

でも
私の本音はこちらです。

「そんな言い方しなくったって!!」

…取り乱しましてすみません。
給食中におしゃべりをしていると、年中になれないのでしょうか。
それを言われて「よ~し!給食もくもくたべるぞ~!」と息子はやる気になるのでしょうか。

どちらもならないと思います。

給食中おしゃべりしていたって年中さんになれるし、
息子は先生にこのでセリフを言われてしょんぼりしながら黙って食べたのだと思います。

たしかに、食事中のマナーや食べ終わる速さも大切なことだから、それを教えてもらえるのは親としてありがたいことです。
でも、そんな言い方をしなくてもいいのに、と思うのです。

大人が会社でこんなことを上司から言われたらパワハラです。

…でも先生の気持ちも分かります。
小学校教員をしていたころのことを思い出すと、低学年の子どもたちを統率(この言葉、少し苦手ですが…ほかの言葉が見つからないので)するには「短く」「分かりやすく」が一番だと感じました。
たくさんの子どもたちがいて、安全を守りながら日々の活動を進めていくのは本当に大変なこと。そんな中、食事中のマナーまで指導してくれる先生には感謝しなければならないと思っています。

うん。そうなんです。
それにこういう声かけは一般的なのかもしれません。
小学校に勤めていた時も、自分自身が子どもだったときも先生が子どもに対して「それじゃあ〇〇年生になれないよ!」とか「〇〇クラスでやり直してきな」などと言う場面をたくさん見てきました。
いじわるで言っているんじゃなくて、その子を頑張らせるために言っていることも分かります。実際にその言葉で頑張れる場合もたくさんあると思います。

…でも、「〇〇年生になれないよ」のような脅しの言葉は私は言いたくないと思っていました。
勉強に運動に友達関係…子どもたちはきっと私たちが考えているよりもすごく忙しいし、大変です。
常に「よりよく」を求められる学校生活は、本当に疲れるものだと思います。…もし私がそうだったら、と想像すると心底子どもたちは偉いなあと感じます。

そんな子どもたちに「がんばれ」と言いすぎるのは、なんだか気が引けてしまうのでした。
だから、普段まじめなタイプの子がふざけていたら嬉しかったし
感情を出さない子が怒ったり泣いたりしているのを見るとゆっくり見守っていたいなと感じました。
頑張らない日もあっていいと、思っていました。
(もちろん、危ない時や他人の迷惑になる場合は注意しましたが…)

こういう考えの私って「甘い」のかなぁ。
そういえば、教師をしていたころ保護者の方から「先生のクラスになって、うちの子すっかり牙を抜かれたようです」と何度か言われたことがあります。それは良いこと?良くないこと?と当時とても迷いました。…今でもそう迷っています。

なんだか教師になりたてのころに悩んでいたことに、母になっても悩んでいます。

最後まで読んでくださってありがとうございました!


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