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図工だけ来るのはズルい?

こんにちは、麦原です。

教員時代に不登校気味の子を担任していました。

再登校を目指して本人ともお家の人ともたくさんお話をして
少しずつ日中の教室にも入れるようになってきたころ。

本人の希望で、まず第一歩として「図工」の時間は固定で登校してみようということになりました。
本人のものすごい勇気と、たくさんのお家の人の関わりの結果だなあと
担任としてとても嬉しく思っていました。

職員会議にてそのことを報告すると、
ある先生から
「(図工だけ来るなんて)他の子どもたちからズルいって思われて、逆効果ではないですか?」
と言われました。

その言葉はガツーンと私の頭に響いて
しばらく放心状態になるほど心に残りました。

たしかに、『図工の時間だけ来る』とその部分だけ切り取ったら「ほかの勉強しなくていいなんてズルいなあ」と思う子がいるかもしれません。

でも
その子がどんな思いで教室に来ているか
今までどのようにお家で過ごしてきたか
お家の人の思いはどんなものなのか…

そのバックグラウンドを知っていたら、「ズルい」という感想が的外れであることに気が付くと思います。
お家の人とその子に確認して、許可をもらった範囲で
クラスの子どもたちにも
その子の状況や思いを共有するようにしていました。

子どもたちの優しい想像力のためには、「知ること」が不可欠だと考えていたからです。
「子どもだから」とごまかしたり、はぐらかしたりせずに
事実を伝えること


担任として不登校の子を学級に巻き込むことは本当に難しくて、私は本当に悩んできましたが(今でも考え続けてます…)
どんな声掛けよりも、事実を共有することが自然体で受容するきっかけになるような気がしました。

クラスの子どもたちに「不登校の子が登校してきたら優しくしてあげてね」なんて言わなくても、自然とその子を見守る雰囲気が生まれると思います。

…もちろん、その子にだけ特別にそうするのではなく
学級の子どもたちがどの子もそうであるべきと考えています。

職員会議での「逆効果では?」という発言は、本人がこれ以上嫌な思いをしないように…という気持ちから出たものだと思います。
何が正解かは分からない世界。
さまざまな考えの先生がいることで救われる子がたくさんいるということは忘れてはいけないなと書いていて思いました。

Xにて反響が大きかったので
詳しく書きました。
最後まで読んでくださってありがとうございました。

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